SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)感性知の共創施設 疾風怒濤の現代化
★SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)は、渋谷スクランブルスクエアの15階に位置する感性知の共創施設です。産学からの多様な人々が交差・交流し、新たな価値を生み出す拠点になっています。本日東京私学教育研究所の公民の委員会が企画した見学研修会には、20人弱の先生方が集いました。
(17階の展望カフェから)
★渋谷キューズエグゼクティブディレクターの野村幸雄さんがレクチャーと施設案内をしてくださいました。先生方は、QWZが単なるCOワークスペースではなく、産学から集まった多様な知が越境し交差し協働知をつくることによって、世界を変えるエネルギー態としての新しい価値を生み出す場なのだと興味津々でした。
★QWZは会員制のスペースで、多様なバックグラウンドの人々が集まっています。企業の新規事業担当者、社会起業家、NPO、自治体、学生、クリエイター、ベンチャーキャピタル、大学研究者など、幅広い層が集まっているのです。それに、感性知をゆさぶるアフォーダンスとしてのユニークな空間デザインはクールです。「リフレーミング」というコンセプトのもと、空間に“違和感”をちりばめることで、訪れる人の感性を刺激する設計と渋谷を一望できるランドスケープが地平線から非日常の感性知を運んできます。
★その会員メンバーが多彩なイベントとプログラムを生み、社会貢献活動や起業を生み出していく拠点でもあり、先生方は生徒を巻き込むには資金面ではどうするのか野村さんに質問していました。オーディションや奨学金のようなシステムに相当する設定があり、それを活用したり、3人以上でチームをつくれば、1人あたりの会費がリーズナブルになるので、さっそくチームを創ろうという動きをとる先生方もいました。
★それほど、魅力的な感性知の共創拠点です。
★野村さんのレクチャーの中で、リチャード・フロリダ教授の「クリエイティブクラス」の話がでてきました。彼らが創り出すクリエイティブシティが渋谷の再生のコンセプトのようです。
★このクリエイティブクラスの概念いついては、落合陽一氏も注目しています。
★今後世界の70%は都市化すると言われていますが、その都市のコンセプトデザインをどうするのか、アイデアと高度技術が交差する感性知が生まれる渦が巻き起こっています。
★理性よりも感性を重視したドイツの疾風怒濤時代や野生の思考を生み出した文化人類学の時代のフュージョンがこのQWZにはあるような気がしました。
★このような拠点で教育がときどき展開していくことは面白いし、今回集った先生方は、これからの教師像のロールモデルだと感じる感性を持ちえていました。
★すでに聖学院や実践学園女子はQWZを活用しています。なるほどなと改めて腑に落ちました。
★問いの感性を磨き、世界を変えるバタフライ効果を生み出すとは聖学院の伊藤校長の発想でもあります。伊藤校長は、この感性を磨き世界を変えるメタ感性としての感性知を実は日々言語化しています。
★産学共創のこのQWZの多様な対話の向こうにこの感性知があるし、その感性知が問いを生み出します。感性だけだと得意不得意がやがて生まれ、共創が競争になります。そこのところをしっかり見据えているのが聖学院の感性知です。
★でも、そこに気づく人はわずかでよいのです。要は楽しくてインパクトのある感性の問いが生まれてくることがイノベーションを生みだすレバレッジポイントであることは間違いないでしょう。とはいえ、イノベーションは必ずしも善ではないのです。この人間の不可解さ。エラーもあって人間です。AI社会にあってこの不可解さは許容されるでしょうか。
★リチャードフロリダは、タレント、テクノロジー、そしてトレランスがクリエイティブクラスには必要だと。マルクス・ガブリエルの「倫理資本主義」と親和性のある構想を描いていますね。
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