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2024年7月 6日 (土)

2026年中学入試も大学入試も、MIGRIT型に変貌する!?総合型選抜が全く違う意味で重要になる。

昨日GLICC代表鈴木さんと対話しました。日本の政治経済のみならず世界も変動しているのは、今が困った状態だからなのは言いうまでもありません。身の回りで、価値が急上昇しているものとそうでないものが現れていて、多くの市民にとっては、よい状態ではない。でもある限られた層は安泰というのが、あからさまになっています。こんな露骨な格差の状況の中で、サバイバルマインドとサバイバルスキルを身につけることが教育に求められはじめているのは当然だよねという対話でした。

Migrit

★配信終了後、二人でリフレクションして、同じことを言っているつもりでも、どこか違いがあったようなという対話になりました。私が中学入試のルール内で話している帰国生入試や英語入試の話が、鈴木さんのグローバルアドミッションから見ると狭いわけです。

★その違いはどこから来るのだろうかという話になっていたと思います。そこで気づいたのは、鈴木さんは、大学入試における帰国生入試から中学入試の帰国生入試や英語入試を見て語っているということに気づきました。

★大学の帰国生入試は、アフターコロナになって大きく変わっています。早稲田大学と慶應義塾大学で、帰国生入試を縮小や廃止する学部もでてきたわけです。両大学は来年2025年からそうします。大学入試における帰国生入試は、外国の高校を卒業することが条件です。ところがコロナによって阻まれ、海外就学経験はあるが卒業できなかったという生徒が増えているわけです。

★そこで、海外就学経験者に早稲田の政経は「グローバル入試」、慶應義塾大学の経済は「PEARL入試」といういわば総合型選抜を設けているわけです。これは国内生でもハイレベル英語学習経験者であればチャレンジできます。

★中学入試の帰国生入試は、大学の場合とは違い、一定期間海外就学しているということが条件で、海外の小学校卒業は条件にはないわけです。東京の場合は、公立と私立などの間で紳士協定があって、国内の英語学習経験者は、帰国生入試を受験する資格はありません。

★鈴木さんのグローバルアドミッションからすれば、大学は、帰国生入試を減らして、グローバル入試などの総合型選抜に変わっていく。そこにおいてはハイレベル英語学習経験者で創造的思考力などのクリエイティブな才能とそれを生み出してきた体験が重視されるというわけです。

★ハイレベル英語力と高度思考力と豊かな経験。その経験は文理融合的なものです。

★すると、中学入試も、その影響が大きく出てきます。2025年の早稲田大学と慶應義塾大学の帰国生入試と総合型選抜を融合した新しい入試への移行。海外就学体験者であれ、国内でハイレベル英語学習体験者であれ、区別なくチャレンジできる入試が注目を浴びます。同じようなタイプが2027年東大でも行われます。

★中学入試は、今まで2科・4科テストと新タイプ入試というように分けられてきましたが、2026年には、その区別はなくなり、要するに自分の得意な入試科目は何かという入試になるでしょう。大学入試はすでにそうなってしまっています。

★これは、まさにMI(多重知能)のどれか一つでも得意=好奇心旺盛な学びができ、その姿勢がGRIT(やり抜く力)であることを要求するという入試概念に中学入試も大学入試も変わっていくということです。これが確立したら順次高校入試も変わるでしょう。すでに適性検査型に変わっているので、あっという間だと思います。

★このようなコンセプトの入試をMIGRIT入試とでも呼んで起きましょう。そしてこれによって生徒1人ひとりの3Tが実現するわけです。タレントである才能はすべての生徒がオンリーワンのものをもっています。それが市場で売れるかどうかは、本人のアイデアと仲間力にかかっています。テクノロジーはICTのみならず感情や思考や行動、組織をマネジメントできるかどうかというスキルです。その道具として生成AIをはじめとするICTは今後は欠かせないでしょう。そしてトレランスという寛容性。こんな複雑な世界は、ひとりではサバイバルできません。仲間と共感し、自然と共生し、社会と共創するしかありません。多様な価値観やものの見方が衝突する世の中です。トレランスという寛容な心の余白が必要でしょう。

★この2026年のMIGRIT入試コンセプトの移行を、中学入試において促進するきっかけは、来春豊島岡女子が実施する算数×英語資格利用入試と八雲学園が実施するすべての2科・4科テストに英語資格利用を導入するということでしょう。

★自分の得意教科をいかし、自分なりの3T能力を磨ける学校探しが始まります。その学校探しを可能にするのは、MIGRIT入試です。もちろん、この言葉は使われないでしょうが、実質広がっていくということになります。

★大学入試において、総合型選抜がますますMIGRIT入試コンセプトが濃厚になっていくことは間違いありません。

★そうそう、このMIGRIT入試をすでに実施しているところがあります。それが湘南白百合と工学院大学附属です。

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