文大杉並、和洋九段女子、駒沢学園女子 思いがけず利他
★先週、文大杉並のキャリア探究オープニングイベント、和洋九段女子のPBL体験、駒沢学園女子校長土屋先生がプロジェクトリーダーをしている研修を見学しました。この3つに何か共通しているコトがあるなと日曜日は孫と遊びながらモヤモヤリフレクソロジー状態でした。そうしているうちに、ふと孫が主体で私は受け入れているけれど孫が楽しくなくてはその受け入れはハッピーではないという状態は、まさにこの3つのイベントでの先生方の役割に通じるのではないかと感じたのです。
★そんなとき、偶然にも東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授中川岳志さんの「思いがけず利他」という著作に出会ったのです。まさに❝思いがけず❞でした。
★中川さんは、「リベラル保守宣言」という著作も随分前に描かれていて、私学の精神とは親和性があります。そう感じたのは、ここのところ「リベラルアーツ」ということについて思い巡らしていたということもあるかもしれません。
★この著作の中で、与格構文についてのエッセイがあります。中川さんはヒンディー語も学ばれていたようで、この言語では主格構文と与格構文を使い分けているというのです。私がコントロ―ルできないことについては、私に与えられたという感じの与格構文で表現するというのです。
★コントロールできないということは、「思いがけず」出会ったり、直面したりということです。こういう状態を与格構文で表している状況を中川さんは「思いがけず利他」と呼んでいます。
★ああ、これだなと。どの国でもこの与格構文的な発想はあるけれど、文法として、つまり言語文化として身体的にルールになっているというのは確かに珍しいかもしれません。
★なんでも「私が~、私が~・・・・」は、ウンザリします。しかし、それは私たちが主体構文と与格構文を使い分けていないから起こることだったのかもしれません。ファシリテーターは与格構文的「思考動」の役割を果たしています。しかし、何か危機が訪れると、それはリスクマネジメントは自らが動かなければなりません。
★リスクによっては、コントロールできず、主格構文が与格構文的な最悪な事態になってしまうこともあるでしょう。
★したがって、中川さんは利他=善という図式はとりません。
★心地よい学校とは、学校の教師が主格構文と与格構文という両方の発想の平衡感覚が優れているということだと感じたのです。
★経営陣は、リスクマネジメントという安心安全な組織を形成し、その中でその平衡感覚が教師にも生徒にも保護者にも共有されていることがすてきな学校だなと。
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