学校法人石川義塾中学校・石川高校の教育システム その私学ならではの独自性 生徒が7つの習慣×ルーブリックを実装❶
★一般財団法人日本私学教育研究所が福島で開催した私学経営研修会では、全国から理事長校長(財団の役員も含め)が100人強集結しました。前回までにその模様の一部のメモをご紹介しました。さて、ここでは学校法人石川義塾中学校・石川高校(以降「学法石川」)の視察で気づいたことをメモします。今回の視察は、驚愕でした。というのも学法石川は、2時間で教育システムをすべて見せてくれたからです。
★132年の歴史のある学校です。創設者は森嘉種。当時の石川町長吉田光一と協力して石川町の発展のため教育を通して貢献してきました。それは今も4代目理事長校長森涼先生によってさらに進化し続けられています。森嘉種は、石川藩の武士でした。ですから、儒学や仏教などの日本の学問をベースに、明治維新ではいってきた西洋の学問も習得して、世界学問を目指していました。欧米の教育は世界基準において大きな価値を占めていますが、最近は文化人類学者の知見が広まり、経済社会の考え方がより広くなっています。その中に当然江戸時代の日本の学問も射程に入っています。
★教育界で講演者として引く手あまたの田内学さんの金融教育論にもそれは反映していますね。欲望の資本主義から贈与論的資本主義とか倫理資本主義とかというわけです。また海城学園の校長大迫先生も欧米中心のIBに日本的な学問や文化、哲学を融合させる教育を実践しているのもおもしろい流れです。その流れを学法石川は132年前から生成していたのですから驚きです。
★学法石川が私立学校として出発する際に、あの澤柳政太郎と森嘉種との対話が転換点だったようだという話も同様です。視察の時に、すべての授業がアクティブラーニングで展開していたのですが、澤柳政太郎は、当時のデューイをはじめとする進歩主義的な教育を取り入れのちに大正自由教育の大きなウネリを生み出した立役者の一人です。学法石川の新しいアクティブラーニングも、そんな歴史を継承しているのかと歴史の重さと進取の気性の壮大な統合を目の前で見て、ワクワク、クラクラしました。
★明治時代はサミュエル・スマイルズの「セルフヘルプ(自助論)」と福沢諭吉の「学問のすすめ」がベストセラーだったと言われています。現在の学法石川は、フランクリン・コヴィーの「7つの習慣」と森嘉種以来の建学の精神と新しい学力のコンセプトを反映した学法石川独自の「ルーブリック」を掛け合わせて、すべての教育活動で、生徒1人ひとりが内省できるシステムを構築しています。
★実際「7つの習慣」を身につける授業も見ることができました。また「ルーブリック」もすべての授業の展開の中に織り込まれていました。ただし、それは授業では目に見えない大事な視点として扱われていました(これについては生徒の内省用のノートでは見える化されています)。
★欧米の先端的な教育「7つの習慣」と江戸から未来に向けてインド、中国、欧米の教育を融合した学法石川の独自の精神「ルーブリック」を見える化することで、教師も生徒も全員が共有する骨太な精神軸を形成しているのに参加者はみな驚愕したことでしょう。
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