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2024年6月 7日 (金)

私学経営研修会 in 福島県石川町 「教育政策と私立学校」 衝撃走る 少子化の本当の意味

★長塚篤夫先生(日本私立中学高等学校連合会常任理事・運営役員、一般財団法人日本私学教育研究所副理事長/順天学校長)からは、「教育政策と私立学校」というテーマで、目が覚めるような新しい価値創造をする時がすぐそこに迫っている希望と警鐘についてスピーチがありました。

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★全国から集まった理事長・校長は、2030年に急カーブで下降する15歳人口の少子化の問題や助成金の問題に関してはかなり創意工夫、新しいアイデアを持っています。それは講演の後の意見交換会で改めて了解できました。

★したがって、長塚先生の、少子化の問題や助成金の問題に関しては、共感し、理解をさらに深めていました。

★しかし、その少子化が何を意味するのか、UNESCOの世界の大学生の数の比較の話に移ると、衝撃が走りました。というのも、世界の大学生の数は2億5000万人強(2022年現在:UNESCCO調べ)。中国とインドとアメリカでその半分弱を占める。そんな中で日本は1.5%。

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★人的資本経営という流れは、最近ようやく日本の経済界でも言われるようになりましたが、世界はとっくにそうなっています。その中で、大学生の数(大学院生も含めます)は、減っていくし、世界で太刀打ちできない知的財産の劣化の可能性があるわけです。

★量で勝負できなければ、質で勝負するしかないのですが、その質を創り出す新しい価値転換はいかにしたら可能か?呆然とせざるを得ないわけです。

★そこで長塚先生は、ご自身もワーキンググループのメンバーですから「高等学校教育の在り方ワーキンググループ中間まとめ」からこれまた衝撃的な内容について語ったのです。それは高校卒業資格の74単位のうち36単位は、サイバー上の学びや通信制高校と連携するなどによって単位取得ができるように、省令改正があったというのです。学校教育法施行規則96条の規則改正です。すでに今年4月1日から施行されています。

★36単位を柔軟に対応できる機会ができたわけですが、それを各学校がどんなビジョン、どんな目的で対応するのか、にわかには動けないのは現場の事情を想えば、それは明らかです。

★しかし、ここに創発的な高い理想とそれを実現するスキル実装のチャンスがあることも直観的には了解できます。

★目の前の生徒募集や大学実績も大事です。しかし、それだけに集中して何も手を打たなければ、2030年から限界集落化する都市がどんどんでてきて、どんなによい教育を創っても、それを享受できる生徒がいなくなっているのです。

★そして、そのことは世界の知性から遠のく日本の教育の姿が出現し、それは同時に政治経済力の劣化を招くことになるでしょう。

★ここをどうするか希望の生まれるチャンスであると同時に、そのハードルの高さにどうしたらよいかわからなければ、希望は急に絶望になるのです。希望と絶望のアンヴィバレントな衝撃的な長塚先生のスピーチでした。

 

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