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2024年5月22日 (水)

1%の世界で起きていること 中高の大学化(1)新しい高大連携 富士見丘とか湘南白百合とか

★高大接続改革、高大連携、IB、AP、Aレベルなど大学と中高の接続が激しく変化しています。大学側からは学生数の確保、高度人材の確保、中高側からは、進路指導先の確保、生徒の能力を高める機会など多様な考え方が絡み合っています。しかし、一方で、なかなか国内における大学と中高の関係は変わりません。

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★それは偏差値と学歴社会が強く結びついているために、多くの才能や能力が覚醒しないまま終わっているという知のリソースのもったいない状況が続いているからです。

★しかし、この鉄鎖を砕く動きが出ているのも確かです。それは、富士見丘や湘南白百合など中高がすでに日本の大学の1年なみの学びの基盤を創っているからです。イギリスでいえば、ギャップイヤー段階のものだし、アメリカでいえばリベラルアーツなみのものです。

★大学を目指して階段を上っていくというような感じではないのです。すでに大学なみのリサーチを行っているわけです。

★高大連携という名称でくくられてしまうと、大学を目指して階段をステップバイステップという感じでしょうが、学問的リサーチの基礎を中高で学び、しかもそこに大学の教員や大学院生もかかわっています。

★もはや、これは大学のゼミに相当する動きです。中高の先生方が名付けているゼミではないのです。そこに大学の教員がかかわるのです。大学院生がチュータリングをするわけです。

★外から見ていてはおなじような高大連携に見えます。IBやAPと同じように、大学を目指して階段を上がっていくように見えます。IBやAPは、難関大学のための階段をのぼっていくプログラムです。

★ところが富士見丘や湘南白百合は、すでに大学のゼミ形式の高大連携が根付いているのです。

★同じような動きをしている学校が首都圏には30%ぐらいはあります。

★首都圏の私立中学受験者は、全国の同学年の人口の3%ですから、そのような動きをしている学校に通う生徒は、さらに1%の動きです。

★この1%に希望があるのです。小さな動きが、世界を大きく変えるのは歴史の法則ですね。

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