進化する東京私立中高一貫校(01)東京私学が団結するわけ
★昨日12日(火)、東京国際フォーラムで東京私立中学合同相談会が開催されました。開会のあいさつの中で、主催者の一般財団法人東京私立中学高等学校協会会長近藤彰郎先生(八雲学園理事長校長)は、建学の精神に基づいた独自性・先見性・先進性ある各私学の魅力を訪れた受験生と保護者に共有してもらうと同時に、私立学校にはこれほど多様な教育があるということを互いに確認し、さらに進んでいきましょう。このような魅力に未来を感じる貴重な場をこれからずっと続けていくことの価値を高めていきましょうと。そして、そのためには、私学の経営権が守られていなければ独自の自由な教育ができないのですと。だから、この大事な経営権を侵害する大阪府のような政策に対しては、一丸となってはねのけていこうと宣言しました。
★私学は、建学の精神という理念とそれを時代に適合させたビジョンを軸に進取の気性に富んだ教師が教育を行っていきます。それは、自分たちが創意工夫して考案していく自由があるからこそで、そのような人的資本力を豊かにしていくには、経営というマネジメントが必要です。とはいえ、一つ一つの私立学校は、小規模経営ですから、行政的なダイナミズムには、一致団結が必要なのです。
★受験生獲得のために競争しつつ共生することの必要性。5月と8月のこの大きなイベントで、東京私学が一堂に会してそれを確認することは、大変重要です。
★この私学主導の行事は、競争的共在ですが、受験市場では偏差値競争だけがデフォルメされて、そこでは認知能力に限定される競争がおこるため、実は各私学で大事にしているもう一つの生徒の能力である非認知能力を阻害してしまうおそれがあります。多くの場合は、入学後、オリエンテーションや行事、部活、プロジェクトで修復していくのですが、できない場合もあります。
★ですから、そうならないように、生徒の多様な能力を大切にすることの重要性を東京の私学全体が協力して伝えていくのです。
★私立学校の経営は、人口減少による影響、政治的行政的政策の影響、経済的な影響、子供をとりまく偏狭な限定的な能力競争主義の影響など、複合的な危機にいつも直面しています。
★この危機意識共有と打開策を、同協会は、月に二回東京私学すべてと確認する理事会や支部会を運営しています。その意思をイベントとして確認し、相互に勢いづけようというのがこの合同相談会なのです。
★さて、この開会のあいさつで、実行委員長である平方邦行先生(一般財団法人日本私学教育研究所所長&東京私学教育研究所所長)は、協会役員の経営する4つの学校だけをみても、海外大学合格者の数は100名である。これは本当に東京の私立中高一貫校が不易流行をアップデートさせている象徴的な動きであると。競争的共在が、私学全体の変化を促進するエンジンであると高らかに謳い、合同相談会は始まりました。
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