私学の教育を支える私学財団
★私立学校を選択する受験生・保護者の方は受験の段階では、志望する学校単体の姿しか見えていない場合が多いと思います。各私学が、建学の精神に基づき、独自性・先見性・先進性ある教育を創意工夫し実践してきているのは紛れもない事実ですが、人は自分ひとりでは生きていけないのと同じで、私立学校もただ1校だけで経営運営ができているわけではないのです。一般財団法人東京私学中学校高等学校協会は、合同相談会などで知っている人も多いでしょう。私学は独自の路線を追究しながら、同時に協力し合ってもいるのです。
★そして、私立学校の所轄は、知事ですから、都の私学部とも協力関係があります。
★なにより、受験生・保護者にとって関心の高い教育費負担の軽減事業を行っているのは「東京都私学財団」です。同財団は、東京の私学関係団体と東京都と協力して、所得制限を撤廃した教育費負担軽減の絶大なる支援をしている団体です。
★私立学校が不易流行を持続可能にできるのは、もちろん各私学が奮闘努力の気概をもって成し遂げているのですが、私学財団のような私学を支えてくれる団体があってこそなのです。
★残念ながら塾業界やメディアは、私立学校のトータルなシステムをみていないので、偏差値競争や学歴社会ゲームを推奨し過熱させているときもあります。そのことが、この私立学校トータルなシステムを支えている協力関係、つまりそれぞれの個性を生かした学びの場を維持しようという体制を壊すことになりかねない状況を作る場合もあるのです。
★もし、特定の私立学校しか残らないような競争の末路をたどったら、日本の教育全体にダメージを与えてしまいます。
★もちろん、私立学校当局は、そのようなことにならないように絆を深め、多くの団体と協力していますから、そのような受験市場が、私立学校全体の協力をするときのルールにネガティブな行為をする場合は、警告を出します。
★しかし、私立学校は学びのコモンズです。油断すると「コモンズの悲劇」が起こります。この悲劇は私立学校にとって悲劇であるだけではなく、日本の教育にとっても悲劇が飛び火します。
★受験業界すべてがネガティブな訳ではもちろんありません。私立学校トータルシステムを尊重して、健全な学びの自由市場を生み出しているところもあります。こういう健全な受験市場を形成していくことが、教育で日本社会を支えることにもつながります。
★私立学校も経営をしている以上、入試市場を健全なまま維持していく努力をしています。ですから、欲望の資本主義ではなく、倫理的資本主義を維持する努力をしているのです。
★今や時代はエシカル資本主義という言葉もでてきていますから、私立学校が未来を作る役割を果たし続けていることも確かです。
★何せ、私学のルーツである私学人の1人があの渋沢栄一です。日本資本主義の父です。渋沢翁の考え方は経済道徳合一主義です。「論語と算盤」は有名ですね。エシカル資本主義をとっくに見通していたというわけでしょう。
★この私学の精神のルーツを持続可能にする絶大なる貢献を私学財団は果たしているのです。
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