学校選び 成長する組織づくりをしている教師と生徒の関係①
★学校を選ぶとき、成長している組織かどうかは結構ポイントだと思うと最近繰り返しています。説明会に行くと、その学校の教師の姿と生徒の姿を見ることができます。直観的に、教師と生徒の見えない関係を感じることができます。教師と生徒がいいチームワークをつくっているなあとか、教師主導で生徒が動いているなあとか、教師も上司に言われて動いているなあとかなどすぐに感じます。もちろん、チームワーク組織なのか統率がとれているピラミッド組織なのか、フラットな関係とリスクマネジメントの縦の関係の共感組織なのか、どれがいいということではありません。私の好みは、共感組織ですが。
★さて、組織は当然人が作るわけですが、所属メンバーは様々なタイプがあるのは当然です。Aタイプ、Bタイプ、Cタイプ、Xタイプ(X:transformation)。A、B、C、は、思考コードの軸に対応しています。ですから、Aだけ、A1タイプとA2タイプと分けておきました。あとは世界と自分の知の大きさの違いだけなのでざっくりBとCと。
★なぜ、A1とA2とあえてわけてみたかというと、世界と自分の知の関係は、はじめだれでも、世界の部分しか知ることができないでいますが、理解を拡大していくと、当然その部分が広がります。やがて、その世界の部分と自分の知が等しくなった時、人間が賢く生きるか愚かに生きるかの第一分岐点にぶつかります。
★世界は自分の知の限界であって、その向こうにまだまだ世界があると了解し、自分の知の限界を超えようと「思考」するか、すべて世界を「理解」したと「思考停止」するかの違いですね。
★私たち多くの人間は、私ももちろん含めてA2タイプで止まっているものです。無知の知とか汝自身を知れとか、哲学対話が大企業の患部の中で最近行われるようになっているのは、ここを少なくともBタイプにしようということですね。論理的思考とか批判的思考とか〇〇思考がたくさんあります。垂直思考とか水平思考とか。しかし、基本は論理的思考、批判的思考、創造的思考の3つくらいです。論理的思考と批判的思考は数学的には、dedution、induction、abductionが対応するでしょう。しかし、創造的思考はやはりアート的精神、つまりパラダイムシフト思考が相当すると思っています。
★いずれにしても、〇〇思考の名称は、ときどき、類似しているものでも、商品名と同じで、名前が違うだけでということがあるので、そこは相対化してあるいは俯瞰して整理しながら読み解いていくのが肝要です。名前を変えたがるのは、マーケティング効果をねらっってということもあります。ブランディングとか、書評登録とかのねらいもありますね。コーラとペプシという名称は違っても同じような飲料商品ですし、ファミマやセブンイレブンなどもコンビニという点では同じです。もちろん、微差異はそれぞれあるでしょうから、そこは意外と大事なのですが。
★まあ、ともあれ、この世界と自分の知の関係を上の図のように分けて、目の前の組織のメンバーを見てください。学校の場合だと、校長をはじめとする管理職がどのタイプかということです。それから、第一分岐点でどちらを選んでいるかです。
★私のように年老いた人間が校長だった場合、もうテクノロジーの知識では明らかに追いつかないわけです。ですから、私は自分の知が世界の限界で、それはあくまで自分の範囲にしかいない。だから自分の知を超える世界を知っているメンバーにどんどん企画を立ててやってもらおうとします。
★アリストテレスートマス・アクイナスの世界は、多少知っていますから、その世界を通じて現代化した叡智システムをベースに哲学対話をしながら、そのような正義や愛や倫理的資本主義のものの見方についてアイデアを広げてくれる生徒や教師が生まれるの待つわけです。不思議なことにアイデアとコモンセンスで合力をつくる生徒や教師が出現するわけですね。
★一方、校長が自分が全て知っている完璧だと内心思っていると、BタイプやCタイプ、Xタイプの教師の才能の芽を摘んでしまうということもあります。
★校長がCタイプの場合、他の教師がバカに見えてしまうときもあります。もちろん、表立ってそうはいいませんが、ことあるたびに一言ネガティブな言葉を吐きます。
★A2タイプでのそのような発言は、もはや論外ですが、ともあれ、そのような発言はハラスメントの恐れがあり、実はCタイプであろうと論外です。
★かくして、このようなタイプがどのように互いに関係し合うかによって、その組織の成長の具体的状況は変わってきます。
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