青柳先生の教師のあり方=Beingは構造論的実存主義
★昨日、成城学園の青柳圭子先生のところに伺いました。東京私学教育研究所で実施した「私学教員のための組織マネジメント研修」の研修コードについてご意見を聞くためでした。研究所の研修コードは、ベースが「思考コード」で、同研修の委員である青柳先生は「思考コード」について熟知されているので、研修中から対話していた経緯があります。組織マネジメントのメインテーマは、「自分が変わる」ことによって「他者も変わる可能性」を体感するワークショップでした。自分から自己へ自己から自分へという、主観と客観の在り方が対話的主観に変質していく自分。
★そんなことをあちこち飛び回りながら対話していると、そういえばと、新刊「シリーズ学びとビーイング~学び続ける教師のあり方(Being)とは?」を頂きました。青柳先生ご自身も寄稿されていたので、対話しながら目を通すと驚きました。今対話していることがすでに青柳先生は論考しているのです。
★『子どもの学びを支える、私たちの「Being」』がタイトルですが、このタイトルが論稿のコアコンセプトでした。教師のあり方とは、ひとり教師のあり方ではないのです。もちろん、教師一人ひとりそれぞれの「あり方」なのですが、それは子供の学びのあり方と同僚のあり方、そして学校のあり方、社会のあり方など関係総体の中で、オリジナルの「あり方」が生まれてくるという息吹がタイトルを通して論稿全体に広がっていました。
★大変哲学的です。ハイデガーとかフッサールとか実存主義というか現象学的というかそんな哲学的な対話が青柳先生とは展開されるのですが、今回の論稿もそうです。
★しかし、一方で青柳先生はフィールドワークという現場に身を置いて感じたり考えたりする方ですから、構造主義的というか文化人類学的でもあるのです。
★さらに、韓愈の思想から、あり方とやり方と迷いを払拭する道/未知の探究の発想を取り出しています。まさにやり方と道/未知を探究する泉としてのあり方を語ります。
★そうして、その泉はどこから湧き出るのか。生徒と同僚など多くの人との対話から生まれるのだと。互いの主観を大切にしながら対話的に主観が成長していくわけです。主観と客観の二項対立が生み出す個性の無化を対話的主観によって取り戻す生き様というあり方。「私たちのBeing」となるわけです。ここは現象学的ですね。
★AI時代は「やり方」はもしかしたらAIにかなり任せることができます。しかし、AIは道/未知を探究することは今のところありません。既存の情報を分解し統合することは得意です。しかし、教師は道/未知を前にして不安になりながらも希望を同時に生み出す泉が内面にコンコンと湧いています。それが枯渇せず豊かになっていくことが今後大事になるでしょう。
★いかにしてか?その解答の大きなヒントを青柳先生は経験的に直観しています。そして、今後中高と大学で授業を通して生徒と学生と対話していくことによって、言語化されていくことでしょう。楽しみです。
★それにしても、韓愈とトゥールミンを青柳先生は大切にしていますね。両者とも思想家であり哲学者です。青柳先生の深い学びのあり方の源泉の1つでしょう。特に韓愈はいわば思想のルネサンスを巻き起こした詩人でもあります。
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