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2024年4月 7日 (日)

富士見丘 大胆な広報 時を読む

★富士見丘のサイトにはこんな記事があります。「“お得な中高一貫校” レバレッジ度ランキング第1位!」がそれです。同記事によると、

<『週刊ダイヤモンド(2024年4/6・13号)』において、「入学はしやすいのに6年間で学力を伸ばす」大学受験に強い「お得」な学校のランキング、いわゆるレバレッジ度ランキングの首都圏総合 第1位を獲得しました。記事の中で本校は、ここ数年のランキングで常に上位を占める「ランキング常連校」と紹介されています。また、実際の進学先に基づいた「大学別実進学率ランキング」でも、上智大学で第8位、青山学院大学で第10位となり、本校のグローバル教育の成果が示されています。>

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★富士見丘は、気品のある学校です。おそらく10年前ならこのような記事は載せなかったと思います。合格実績は生徒1人ひとりの問題で、それを学校の手柄のように宣伝するのは違和感があるという格式の高い同校はそう判断したものです。そこが塾業界からは近づき難く見られていたという状況があったと思います。

★ところが、今はそのような見方は塾業界にはまったくありません。このような見事な合格実績は事実ですし、なんといっても、卒業生全員で協働的な学びと個人の学びを一体化せてきた生徒たちの努力の賜物だということが学校もわかっているし、何より生徒自身が自らをそしてそういう自分たちが育った母校を誇らしく思っています。

★その一つの証であるなら、このような記事は学校の手柄ではなく、生徒とそして教師と共に創り上げてきた学びの結果の1つとしてたたえ合ってよいのだと学校当局も判断したのでしょう。

★それに最近の同校広報部隊は、したたかでもあります。この記事のレバレッジポイント算出方程式の要素の1つに中学時の偏差値があるわけです。この偏差値が伸びていくとレバレッジ1位はゆらぎます。それはしかたがりません。

★生徒数が倍になり、今のままと同じ実績だと安泰ですが。定員というのは固定したままです。人気と共にどんどん中学入試時点で偏差値も上がります。

★ですから、このような記事を公開するタイミングはまさに「いまここで」なのです。

★それに、人気がでて、今以上に大学合格実績がでてしまえば、このような情報誌の記事を気にしなくてよいわけです。ということはやはり思い切って今公開しようという判断が下されたのでしょう。

★気品と現実のギャップをしたたかに埋める大胆かつ細心の注意を払った広報戦略。さすが、教育理念「忠恕」とイギリス的戦略文化の融合が浸透しています。

★いずれにしてもハイパフォーマンスの強烈なグローバル教育のクオリティを年々あげている先生方です。その心の勢いは感動的です。

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