工学院大学附属中学校 教頭に田中歩先生が就任
★工学院大学附属中学校の新教頭に田中歩先生が就任しました。歩先生は、英語科主任→高校の教務主任(他の学校の教務部長)を経て、この新年度から中学の教頭です。同校の組織はなかなかおもしろいのです。中学と高校それぞれに教頭と教務主任がいるのです。対外的に広報のリーダーは「部長」という名称が使われれますが、校務メンバーは「主任」なのです。他校では「部長」と呼ばれるのが通常です。ですから学年主任や教科主任と同じ「主任」なのですが、校務メンバーかどうかの違いはあり、非常にフラットな組織です。大学附属ということもあり、校長が慣例的に外から迎えられますから、学内のチームビルディングがしやすいようにということなのかもいれません。たしかに階層構造があり過ぎると、現場では動きにくいということがあるのは想像に難くないでしょう。
★多摩エリアというのは、生徒募集という点では、23区に比べあまり有利な条件エリアではありません。同校は高校の定員が中学より多いので、まずは高校の生徒獲得の基盤作りが重要でした。都立優位のエリアで、私立学校で、いわゆる大学実績で突出している学校が多いわけではないので、いかに強烈な特色を出しつつ、大学実績も突出させていくか、が優先順位として高かったのです。
★このエリアで破格のグローバル教育で右に出る学校は、もうありません。そして大学合格実績も進路指導主任の鐘ヶ江先生と学年の先生方とガッチリ、スクラムを組んで、壁を突破し続けています。
★グローバル教育とPBLとその最終形態である探究論文×グローバルプロジェクト(これは有志ではなく全員参加の壮大なプロジェクト)が生徒の人間力を豊かにし大学合格実績も上昇するという手ごたえを先生方が感じるようになりました。
★この進化は止まらないでしょう。そう経営陣は考えたのだと思います。今度は奥津先生を高校の教頭に、田中歩先生を中学の教頭に据えました。
★奥津先生はもともとは数学科の主任で、中学の教頭と教務主任を兼務していました。実は工学院のグローバル教育は本当に破格で、23区の私立学校で工学院と肩を並べられる学校は文大杉並くらいです。どういうことかというと、ケンブリッジインターナショナルスクール認定校が工学院です。これもたぶん日本第1号ではないでしょうか。
★日本の英語教育をベースにした凄い学校はたくさんあるのですが、一部の有志の生徒が海外の高校とダブルディグリーをとるというのではなく、かなり多くの生徒がダブルディグリーに挑戦できるという環境があるのは、工学院と文大杉並くらいなのです。
★ただ、工学院は、工学院の教育=ケンブリッジイナターナショナルスクールの教育となっているので、ディプロマは工学院大学附属1つなのです。だから目だたないのですが、これもまた日本の教育と海外の教育の「融合」の在り方の1つなのです。
★この破格のグローバル教育のうち「言語的精神」の基盤をインターナショナルコースだけではなく、他のコースにも固めようと、田中歩先生がリーダーとして教頭に就任したのでしょう。
★そして、医学部と薬学、都市工学など、ソサイエティ5.0時代に必要な新しい都市創りの高度人材輩出が軌道に乗りつつあるので、文理融合的な「数理的精神」の基盤をさらに強くするべくリーダーとして奥津先生は教頭に就任したのでしょう。進路指導部主任の鐘ヶ江先生も数学科の主任でした。
★そして中野校長が、STEAM教育を中高全体の背骨にしようと担当者と仕掛けているわけです。生成AIとアートがポイントになるでしょう。
★同校は、リベラルアーツという用語は使いませんが、言語的精神、理数的精神、STEAM的精神は、リベラルアーツの現代化に相当します。この三位一体的な精神があるからこそ破格かつ学際的なグローバル教育が成り立つのです。
★そしてこの三位一体は、共感的コミュニケーションの素地があるからこそ循環します。歩先生のもっとも重要にしている教育は共感的コミュニケーションです。だからこそ生徒中心だと言い切れるのですね。工学院大学附属のミッションの言語世界的・工学宇宙的視野は壮大です。
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