2024年東京大学と社会(10)筑駒の辞退者増加が意味するコト
★2024.03.18 15:58のマネーポストWEBの記事<中学受験の最難関「筑駒」で辞退者増加の異変 通学区域拡大で“記念受験”して合格した層が選んだのはどの学校か>が興味深いですね。その記事によると、
「筑駒では毎年、繰り上げ合格が出ても若干名だ。ブランド力があると同時に国立附属なので学費が安い。そのため、合格したら進学するのが当然なのだ。ところがその筑駒で、今年は多くの繰り上げ合格があったようだ。中学受験塾SAPIXの筑駒合格実績を見ると、2月5日の合格発表直後は79名であった合格者数が、後に98名に増えている。SAPIXだけでも19名が繰り上げ合格しているわけだ。つまり、それだけ筑駒の合格辞退者がいた、ということになる」
★一体それはなぜかというと、同記事の視点は、2024(令和6)年度より、同校が通学区域を拡大したからだということになっています。同校の入試要項によると、次の区域になっています。
【東京都】
23区、昭島市、稲城市、清瀬市、国立市、小金井市、国分寺市、小平市、狛江市、立川市、多摩市、調布市、西東京市、八王子市、東久留米、東村山市、日野市、府中市、町田市、三鷹市、武蔵野市
【埼玉県】
上尾市、朝霞市、川口市、さいたま市(浦和区、大宮区、北区、桜区、中央区、西区、南区)、志木市、草加市、所沢市、戸田市、新座市、富士見市、ふじみ野市、三郷市、八潮市、和光市、蕨市
【千葉県】
市川市、浦安市、習志野市、船橋市、松戸市
【神奈川県】
厚木市、海老名市、川崎市、相模原市(南区、中央区、緑区の相原・大島・大山町・上九沢・下九沢・田名・西橋本・二本松・橋本・橋本台・東橋本・元橋本町)、座間市、大和市、横浜市(青葉区、旭区、泉区、神奈川区、港南区、港北区、瀬谷区、都筑区、鶴見区、戸塚区、中区、西区、保土ヶ谷区、緑区、南区)
★というわけで、千葉の受験生は澁谷学園幕張と筑駒を併願、神奈川は聖光学院と併願、埼玉は、開成と筑駒を併願した場合、両方受かったら、居住地に近い方を選ぶという考え方のようです。
★パンデミックによって、遠距離はなんとなく考えない雰囲気ではあります。タイパの時代ともいわれています。
★もはや、渋幕も聖光学院も、東大合格のことだけ考えれば、たしかに交通の便が良い方を選ぶということになるかもしれません。
★しかし、筑駒の魅力は東大だけではないでしょう。ユニークすぎる文化祭も水田耕作の探究も独特の魅力ですよね。しかし、渋幕にしても聖光学院にしてもこれまた魅力があるわけです。
★ですから、その魅力に対する受験生の志向性がどうなのかそこが知りたいところですね。
★それぞれのエリアで東大に入る学校という意味でランドマークがあると、東大合格以外の魅力でせめぎ合っていくことになりますから、ある意味、学校の内生的技術進歩や人的資本の豊かさについて注目されるようになるわけです。
★学歴階層構造が、崩れるよういんにもなるわけで、この階層構造から影響を受ける見えないハラスメントを回避できるチャンスかもしれません。
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