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2024年3月 6日 (水)

22世紀型教育準備へ(31)国分寺崖線の私立中高 世界が魅力を感じる学校のモデル

★多摩川に沿って崖があります。国分寺崖線と呼ばれています。そこには、かつては武家そしてその後に政財界人が別邸を建てていたところです。崖のスロープを活かした大名庭園があったのです。その跡地に、もちろんもう誰もが忘れていますが、私立学校があります。この大名庭園こそ、19世紀末から20世紀初頭にかけて、世界を席巻した環境にやさしいユートピア都市構想のヒントになっています。ここに未来があるのだと。産業革命以降の劣悪な環境を浄化する桃源郷なのだと。

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★①は国際基督教大学高等学校があります。少し距離はありますが、聖徳学園がありますね。②は晃華学園です。調布にいけば、ドルトン東京学園、千歳烏山には佼成学園女子があります。③は、成城学園です。④はサレジアン国際世田谷、聖ドミニコ学園があります。⑤は五島美術館で、大名庭園がこういうものかがよくわかります。この大名庭園がモデルのイギリスのレッチワースが田園都市で、渋沢栄一の息子と五島慶太翁は、東急電鉄を張り巡らし、田園調布を田園都市にしたのです、東急系列の学校に、東京都市大や等々力があります。男子校のほうはまさに成城学園駅の近くです。⑥は、田園調布雙葉と田園調布学園があります。

★この崖を利用した大名庭園のランドスケープをベースにした私立学校。理念ももちろん自然と社会と精神の循環に通じますね。この循環が分断されると、地政学リスクと気候変動リスク、ハラスメントリスクが脅威になります。

★これを回避する教育を行っている学校が国分寺崖線にはズラリならんでいます。

★ここに未来があるわけです。

★しかしながら、江戸の町は開国後訪れた欧米人が、大名庭園がひしめいている江戸をみて、パラダイスだと感銘したのです。ですから、国分寺崖線に限らず、東京の私立学校は、みな大名庭園の跡地にあるとみなしてもかまわないのです。

★開成などはまさに佐竹の下屋敷です。実は今も中庭には大きな庭石がごろごろしています。麻布もそうですね。三輪田や大妻、女子学院もそうでしょう。清澄庭園を借景にしている中村もそうでしょう。

★暁星や白百合、和洋九段女子もそうでしょう。そもそも東大がそうです。

★かりに大名庭園の跡地でなくても、聖学院や工学院、駒沢女子、聖パウロ学園などは、大名庭園のようなランドスケープやキャンパスになっています。

★国分寺崖線の学校は、そのようなコンセプトががわかりやすいということです。東京の私立学校は、それぞれの建学の精神の無意識の深層にこの庭園発想があることを省察(meditation)してもよいかもしれませんね。

★そうそう、何も東京だけではありません。日本中大名庭園だらけだったのです。五全総という国土計画は、ガーデンアイランド構想をぶち上げていたほどです。大名庭園発想に未来はあります。ですから、そのシミュレーションになっているキャンパスになっている湘南白百合や栄光学園もそうです。鎌倉学園などは言うまでもなく大名庭園を超えた空間です。

★岸田政権のデジタル田園都市構想のルーツはここにあるのですが、政権はその根っこをまるで忘却しているかのようです。起死回生はここにもあるのに。。。まっ、私立学校は前にさっさと進みましょう。

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