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2024年3月 6日 (水)

22世紀型教育準備へ(29)工学院のグローバル教育 広く深い インターコース以外の生徒も身に着ける高度な英語と洞察力

★工学院大学附属中学校高等学校(以降「工学院」)のグローバル教育は一味違う破格さ。国際系の中高は、一般にインターコースとか国際学級とかを設置し、それ以外の生徒はそのコースの学びとは別の学びを行うのが通常です。IB認定校だと、高校ではDPコース以外は普通コースです。工学院の場合も、たしかにコースはわかれていますが、かなりハイレベルの英語力や世界的視野の洞察力を在校生全員が身に着けます。

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★おそらく、どのコースも言語的思考、数学的思考、アート思考など現代化リベラルアーツがベースになっていて、理系に進むか医学部に進むか人文社会系に進むか国際政治経済系に進むかによって、それぞれのコースの特色の違いが最終的にでてくるだけでしょう。基本は文理融合的な叡智が養われています。

★今オーストラリアに3か月留学している高校生たち(9人)は、全員インターコースではないということです。留学生は、みな英語で現地での様子を学校に報告しています。その英語の文章は同校のブログで公開されています。

最新のものを見ると、学校生活をなんでもよいというのではなく、ちゃんと日本との比較をしてクリティカルに見ています。そしてそのうえで、大いに楽しんでいる様子を詳しく書いています。

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★その中で、ホストファミリーと教会に行って、キリスト教について分かち合うディスカッションを行っているようすが記述されています。文化の違いの理解を深めるのに、宗教について学ぶことの重要性に気づいているのは、さすがです。

★工学院では、英語で文学や哲学を学ぶ講座があるし、教務主任の田中歩先生の共感的コミュニケーションは哲学シンキング的な対話がベースです。普通なら気づかないようなところを洞察する生徒が現れるのもそのような教育環境プロデュースがあるからでしょう。

★エントランスホールには、なぜかヨハネの福音の一節「真理は自由にする」が美しい文字で掲げられています。キリスト教の学校ではないのに、なぜ?と思っていたのですが、八王子エリアの神社などをフィールドワークして日本文化を学びつつ、世界の文化とコンパラティブスタディーするとき、宗教は欠かせないということだったのですね。

★教育環境をデザインする先生方の視野が広く深いことに改めて気づきました。

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