22世紀型教育準備へ(22)田内学さんに学ぶ~私学としての金融教育の可能性 教科「公共」的視点で
★先日26日、東京私学教育研究所は<プロジェクト部会「金融教育研究会」 Well-beingを目指す金融教育の提言 -教科の枠を超える取組の可能性->が行われました。私は出られなかったのですが、後から仲間から話を聴くと、たいへん新しい視角から金融教育が議論されたというのです。「所報」を編集するので、動画をみてセルフリフレクションしていると、田内学さん(社会的金融教育家)の話は、「公共」という教科の中で教科横断的なというかいやもっと学際的な授業が展開でき、やはり「探究」が教科授業に回収される兆しがくっきりと見えました。
★田内学さんのプロフィールは、「1978年生まれ。東京大学工学部卒業。同大学大学院情報理工学系研究科修士課程修了。2003年ゴールドマン・サックス証券株式会社入社。以後16年間、日本国債、円金利デリバティブ、長期為替などのトレーディングに従事。日本銀行による金利指標改革にも携わる。2019年に退職してからは、佐渡島庸平氏のもとで修行し、執筆活動を始める。著書に高校社会科教科書『公共』(共著、教育図書)、『きみのお金は誰のため』(東洋経済新報社)、『お金のむこうに人がいる』(ダイヤモンド社)お金の向こう研究所代表。社会的金融教育家として、学生・社会人向けにお金についての講演なども行う。」と研修の実施案にはあります。
★私も「きみのお金は誰のため」を少し読んでみました。すると、驚いたことに、金融教育という視覚から、政治経済社会のありかた、欲望の資本主義から社会貢献循環が生まれる資本主義的な社会のことについて、難しい言葉を使わずに、日常生活世界の用語で、広く深く語られています。
★当然今の子どもたちが22世紀社会を創る未来のヒントも満載でした。なるほど、投資家でもなく金融教育家でもなく、「社会的金融教育家」なのですね。
★深い社会に関する包括的な理論を背景に自分自身の言葉で語っているのが共感もてました。
★私学の建学の精神と社会貢献的資本主義のような着想は交差するので、多くの私学が田内学さんを講師として招くことになるでしょう。
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