22世紀型教育準備へ(06)富士見丘の圧倒的グローバル探究力 全員が英語を公用語として探究活動②
★現在の富士見丘の高2が、40歳になるのは2046年です。2101年、つまり22世紀が始まる時95歳です。確実に高2の皆さんが22世紀社会を創り上げていくリーダーとして活躍します。「2023年度SGH・WWL課題研究発表」は、同校の理事長・校長もその期待と希望を胸に、高2生にエールを開会の言葉として贈るところから始まりました。そして、高2生の未来の活躍の様子が目に浮かぶようなパフォーマンスが繰り広げられたのです。2年弱かけてきた「台湾」「マレーシア」「グアム」のフィールドワーク・グローバル探究の成果を15チームが発表し合うコンクール形式のイベントです。
★予め生徒も共有しているルーブリックに基づいて、上杉恵子先生(明海大学ホスピタリティーツーリズム学部教授)と歌野寧先生(池田高等学校 広報主任・英語科教諭)が審査をしました。チームのプレゼンが終わるたびに、質疑応答が展開。2年弱の探究の成果を5分でプレゼンしますから、各チームは、いかに包括的な言葉や図、グラフなどで全体像を表現するか、具体を抽象化しつつも、イメージを膨らませる高度なシンボリックな表現をしています。
★お二人の先生の問いかけは、聴衆者にイメージの補強をする意味で教養ある問いだなあと感心させられました。リーサーチの場所はもっと他の場所もいったのではないか?提案を広める具体的なアクションは何か?インタビューの相手の反応に他にどのようなものがあったのか?探究のテーマの重要性や信頼性についてどのくらいの人が興味を抱いたのか?など。
★すると生徒の皆さんは、間髪を入れずに、質問に感謝し、インタビューや文献リサーチやアンケートの結果から回答していました。確かに、5分のプレゼンで、そのような膨大なデータを示すことはできませんが、質問されたらいつでもいろいろな角度から応えられるほど、エビデンスを用意していたのです。
★したがって、ルーブリクにある評価観点、たとえば、explore(インタビュー、フィールドワーク、アンケート、文献リサーチなど)、exchange(議論をしなが論理的構成、視聴者を世界に巻き込む表現や演出の編集工程)、トゥールミンモデル(意見、根拠、データ論拠、反駁など)など甲乙つけがたかったでしょう。
★特に問題解決の提案は、リーフレットやTikTokなどですでに実装しており、インパクトがみなあるのです。
★そんな中で、ハンドメイドの防災グッズをつくるワーックショップを各所でやって、リアリティのある防災教育を行っていくという提案をし、実際に保育園で実践した事例も報告するところもありました。サイバースペースとリアルスペースの交差が、さすがはSTEAN教育も行き届いている富士見丘だと感心しました。
★コンクールの結果は、本当に甲乙つけがたかったと思います。吉田理事長は、今までは、前もって選抜したチームの発表をしてきたが、今回は全チームが出場した。それだけ、英語の力においては本当に甲乙つけがたく、立派なものに今年はなっているのです。」と目を細めていました。何せ、理事長自身青年時代に留学しており、英語堪能ですから、そのことがよくわかるわけです。そういう意味で、帰国生は海外で経験した教育環境と何ら変わらないのです。理事長校長と英語で対話できるのですから。
★最後に、優勝賞の発表がありました。審査員の先生方は、論理展開、効果的表現、英語力ではおそらく点差がつかなかったのでしょう。最終的に1位になったのは、台湾フィールドワークの❝SDGs×Disaster Prevention~No one left Behind❞のチームでした。災害が起きたときの障がい者の防災について研究し、本当の問題は何か、解決するにはどうするかアクションプランイング、そして解決策を広めるリーフレット作成と実際の広報活動まで5分でプレゼン。
★審査員の先生方は、おそらく問題意識の信頼性、妥当性、深さなど、実際に能登半島地震でも大きな問題になっている緊急性など合わせて、このチームを優秀賞にしたのでしょう。しかし、それとて僅差だったと思います。
★最後に富士見丘の理事長補佐・校長補佐の吉田成利先生か富士見丘の生徒と池田高等学校の生徒にエールを贈る言葉がありました。成利先生自身、イギリスやアメリカの大学院で研究しPh.D.を取得しています。法学博士です。現在明海大学の准教授でもあります。
★ご自身のグローバルな経験や大学院での経験、何より本物の探究方法を生徒と共有しています。もちろん英語でです。
★そんな成利先生が、ご自身のことも含めて、探究という究める行為は一生かけて終わらないのだという意味のことを福沢諭吉の言葉から引用して語りました。
★私立学校は気概と理念を不易流行として継承していくことが求められそれは並大抵のものはではないのです。人気があって入ってみたものの、校長が変わって元の木阿弥という事態だって少なくありません。
★その意味で、富士見丘の今年の人気は22世紀にかけて安泰だと感じ入りました。
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