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2024年2月 4日 (日)

2025年変化する中学入試(15)私学の人的資本の見つけ方 例えば、多摩大目黒や巣鴨

★首都圏模試センターの出願倍率速報(2024年2月2日現在)によると、多摩大目黒の総出願数は前年対比を100%超えています。巣鴨も1回目と算数選抜は超えています。2日目は微減でしたが、最終試験3回目は本日入試があるので、最終的には総出願数は前年対比100%超えるでしょう。

★地政学リスク、気候変動リスク、ハラスメントリスク(一般化すると国際社会リスク、自然リスク、精神リスク)の混迷がもたらす経済格差と少子化による波を好転させるために私立学校はがんばっています。その中でも生徒獲得に多少差があるのは、外生的技術進歩の差異もありますが、なんといっても、その外生的技術進歩を生み出す内生的技術進歩を生み出す人的資本豊かなリーダーの存在が強烈かどうかです。

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★このリーダーは、必ずしも肩書きリーダーではないのです。自分の人的資本を内省して自己マスタリーをし続け豊かにしていき、その資本を仲間と共有していくナチュラルモードのリーダーです。人的資本リーダーと呼んでおきましょう。この人的資本リーダーは、もちろん活動していく中で、教科の主任になり、分掌の部長になり、主幹になり教頭になり、やがて校長になりますが、校長にちかづくにつれ、誰でもがなるわけではないので、結局肩書きリーダーではなく、あろうがなかろうが人的資本リーダーはナチュラルモードのリーダなのです。

★生徒獲得がうまくいっている学校や困難にもかかわらず何とか持続可能にしている学校には、この人的資本リーダーが必ずいます。校長が変われば学校は変わるというのはまあそうですが、その校長を支える人的資本リーダーがたくさんいればいるほど学校の外生的技術進歩と内生的技術進歩は相乗効果を生み出します。経験上確信しています。もちろん体験的直観にすぎませんが。

★この人的資本リーダーを、受験生の保護者のみなさんはどのように見つけたらよいのか。意外とすでに行っていますが、⑦番目を実施している方は少ないと思います。まずは①から紹介します。

①学校説明会で個別の対話があれば参加する。ピンとくる人的資本に出会う確率は高いですね。

②学校のサイトで、活躍している先生の話が掲載されていれば、参考になります。海城学園のサイトには先生のリアルな紹介ページがあります。さすがです。人的資本経営の教育版です。

➂私学の先生が出版している場合が結構あります。志望校の先生が執筆していたら、目を通しておくとよいですね。麻布は、自ら麻布文庫を出版しています。これも人的資本の教育版です。さすがです。

④受験情報誌でも取り扱われている先生がたくさんいます。中には、パンフレットで語られていること以上語っている先生がいます。そういうときピンとくる確率は高いですね。

➄GWE(GLICC Weekly EDU)というYoutube番組があります。湘南白百合の水尾教頭やかえつ有明の佐野副校長など学校教育について丁寧に深く語ってくださる先生方が登壇しています。学校を越えて対話してくださる工学院の田中歩教務主任、文大杉並の次世代教育開発部長の染谷先生など多くの人的資本リーダーが登壇しています。

⑥それからfacebookですね。若者は見ないとか言われていますが、学校の先生方はSNSを活用します。瞬間的な告知というより、自分や仲間の活動を紹介しています。自分のことだけではなく仲間の活動を紹介するところが人的資本の豊さんを感じるわけですね。

⑦以前ご紹介しましたが、受験業界では知られていない東京私学教育研究所のサイトが私学人的資本の宝庫です。25の委員会があって、その委員は、東京の各私学の先生方が公募で集まります。冒頭で出願倍率について触れた多摩大目黒の川端先生や巣鴨の船久保先生はその委員で、研修を企画するメンバーです。多摩大目黒の川端先生は、超忙しいのに学校づくり委員のメンバーでもあります。英語の新しい学び方の研究者で、かつ組織開発論や人材開発論にも詳しく、実践者でもあります。船久保先生は、有名人です。にもかかわらずこうして東京私学のために活動もしているのです。こうして一つ一つ見るのは大変かもしれませんが、受験業界では、受験指導の側面に偏りがちですが、東京の私立学校の現場では、探究と教科の接点はなにか、対話と言ってもそのメカニズムとはとか、生成AIの使い方とその近代教育の閉塞状況との関連はとか、合理的配慮の問題に対応する丁寧なコミュニケーションのコンセプトと技術はとか、各教科の新学習指導要領対応の実践例をシェアしようとか、その実践例に登壇される私学の先生方の強烈な人的資本力など、慣れてくると、中学受験市場と中学入試市場の共通点と相違点が見えてきます。

★もちろん、川端先生と船久保先生だけではなく、多くの私学の先生方が、自分の学校だけではなく、東京私学全体のクオリティを向上させるためにセルフレスで活動しています。多摩大目黒と巣鴨の出願倍率を見ていて、ピンと来たのでお二人を例として紹介したのです。このような私学における人的資本リーダーが増え続けることが明日の子どもたちの社会に貢献することは間違いないのです。

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