2024年中学入試(37)淑徳与野医進コース特別入試 倍率20.9
★今月10日から埼玉の一般受験生の中学入試が始まります。やはり栄東は大量に受験するということは以前紹介しました。それ以外にも幾つか新しい動きがあります。11日に行われる淑徳与野新設の医進コースの特別入試が行われるのも注目度が高いものです。1月8日9:00現在の同校の発表によると、25名定員のところ522名出願しています。倍率20.9です。もちろん1月受験ですから全部が第一志望というわけではないでしょうが、それにしても女子の医進への志望は多いということですね。
(写真は同校サイトから)
★同入試は、算数と理科の二科目入試です。理系に興味と関心のある生徒をということでしょうが、なぜこのような一見極端に見える入試ができるかというと、入学してから、個別最適な学びと協働的な学びの一体化がなされ、自己分析、自己開示、世界的視野などの学びをどの教科にも埋め込んでバランスの良い学力が身につけられるシステムになっているからです。
★その土台のうえに、自分の興味と関心を追究していける「創作・研究」「芸術研究発表会」があります。そしてそれに「医進コース」が加わったのです。このコースが加わることによって、実は淑徳与野流儀のリベラルアーツが確立するわけです。AI時代にリベラルアーツのルネサンスがやってくるはずです。
★とはいえ、リベラルアーツをやりますよといっても、ピンとこないので、表現は受験生のニーズにマッチするようなシステムにすると。しかし、そのシステムが現実態になるには、その背景に層の厚い学びの背景が必要です。それは、しかし、実際に体験してみてはじめてわかることなので、そこは広報上それとなくしか主張してこなかったのでしょう。
★カンボジアにまで中学校をつくる本格的なグローバル教育をやっているのも、そういう広く深い学びの背景があるからです。その根源には、言うまでもなく淑徳与野の世界精神があるのですが。
★中学入試は、本質的な教育を行うための重要な市場ですが、市場の段階ではそこは深くは触れない受験市場が機能しています。中学入試市場と中学受験市場は一見パラドクスですが、ポピュリズムの世界の中で、私立学校がサバイブするには、このパラドクスをアクロバティックに乗り越える戦略が必要です。このようなプランニングを行うしたたかな戦略家が淑徳与野にはいるということでしょう。
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