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2024年1月14日 (日)

2024年中学入試(50)共通テストと探究の結合点 聖学院の思考力入試はすでに強烈

★今行われている共通テストについて、産経新聞の記事(2023年1月13日)「私大専願者に共通テスト離れ 出願率底上げが課題」で、こう書かれています。「今回の共通テストは現役生の出願率が45・2%(前年度比0・1ポイント増)とほぼ横ばい。年々上昇を続け、6割に迫る大学進学率と比べて伸び悩みが目立つ。共通テストの導入は、高校の授業を暗記中心から思考力の育成に転換させることも目的の一つ。授業改革を加速させるためにも、出願率向上を目指す工夫は大学入試改革の課題となる。」

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★思考力をベースにしたいというビジョンはすてきです。学習指導要領のパーパースを実現する共通テストになっているかというと、まだ発展途上です。中学入試の問題は、栄東の問題を例に、そのパーパスに先行的に進めていることを、前回述べました。

★昨日の共通テストの国語の現代文の問題をみると、たとえば、論説文を読んで、新たな課題に記述する問題を生徒が論述したという設定で、その論述文を推敲したら、つまりメタ認知したらどうなるかという問題が3問出ているわけです。

★これは、思考コードでいえば、B2の領域まで求めている問題ですが、これを単純に情報処理を的確に処理する思考問題と世間が評価していることに対して、もう少し突っ込んでいるのだよということを文科省やセンターで説明したほうがよいでしょう。

★この問題は、京大の松下佳代教授を中心に探究と論文を接合する教育活動が展開されていて、高校現場ですでに知られている方法論が公開されています。トウールミンモデルという方法論ですが、これはトウールミンという分析哲学者が、哲学的多角的な問いをシステム化した手法で、骨太の思考力を鍛える手法でもあります。

★共通テストの自分の論述を推敲する視点は、まさにトウールミンモデルや三角ロジックという思考力に通じています。ただ、選択肢問題であるのが、そのような背景を見えづらくしています。

★その点、聖学院の思考力入試は、トウールミンモデルを遺憾なく発揮する記述式の問題が出題されています。もちろん、中学入試の一般入試で、200字の論述がせいぜいですから、聖学院のように新タイプ入試を設定しているところでしか、このトウールミンモデルの活用を可視化する問題は出題されてはいません。

★それだけに、聖学院の多様な思考力入試もまた革新的知の開発問題として強烈です。ここ数日本ブログのかつての聖学院の記事のアクセスが増えているのは、中学入試市場が、このような流れに気づく高感度なアンテナが立ち始めているということなのかもしれません。

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