2024年中学入試(39)開智所沢が明らかにする私立中高一貫校の4つのタイプ
★1月10日、新設校開智所沢の中学入試が始まります。出願数は2,234名で、倍率は22.3倍です(1月5日現在首都圏模試センター調べ)。開智グループということもあるし、IB認定校申請もしているなど期待値が相当高いですね。同校の教育などについては、リセマム2023.12.12 Tue 16:45の記事「【中学受験2024】学校づくりは究極の「探究」…注目の開智所沢、2024年4月開校」が詳しいので、そちらをご参考ください。
(写真は同校サイトから)
★開智グループは、開校当初から「探究」の技術的進歩をはかってきたし、開智日本橋などIB認定校も着々と増やしています。そのグループは、同記事によれば、『開智学園グループは、埼玉岩槻キャンパスにおける「開智小学校(総合部)」「開智中学・高等学校(一貫部)」「開智高等学校(高等部)」「開智高等学校 通信制課程」を中心とし、埼玉加須キャンパスには「開智未来中学・高等学校」、茨城守谷キャンパスに「開智望小学校・中等教育学校」、東京日本橋キャンパスに「開智日本橋学園中学・高等学校」、千葉柏キャンパスに「開智国際大学」、東京八王子キャンパスに「開智国際日本語学校」を展開している。』という大規模な学園です。
★日本語学校は、おそらく中国をはじめとするアジアからの留学生の日本語の学びを想定しているのでしょう。実際、開智国際大学は、アジアから留学生が多いですね。
★探究や英語に力を入れているところは、どこの私立学校も同様ですが、開智はIBのTOKを熟知していますから、必ずしもDPコースに進まない多くの生徒のために、「哲学」の講座も用意しているところが、知られざる傑出しているところです。
★「開智学園グループ」と「〇〇国際学園チーム」、「広尾学園グループ」という広がりが、首都圏全体の新しい学校の1つの姿を創っていることは事実でしょう。最初は、これらの学校は、澁谷教育学園グループをモデルにしていたでしょうが、今では独自のポジションを形成しています。国際教育という点では類似していますが、それぞれ独自のグローバルでイノベーティブなプログラムをデザインしているという点ではそれぞれ傑出しているからです。
★とはいえ、これらの学校は「国際教育」をベースにしているという点では同じかゴリーでしょう。
★したがって、中学入試市場は、御三家をモデルにする私立中高一貫校と、渋谷教育学園や洗足、頌栄などのように国際教育を充実していく私立中高一貫校と、21世紀型教育機構の学校のように、全く新しい(表現は陳腐だけれど実現は歴史的意義のある)22世紀型教育を追究する学校と、その他の独自の先進的教育を追究し続ける学校の4つくらいに分かれるでしょう。
★開智所沢は、開智グループ全体の存在を高めていくために、これらの4つの種類が明快になっていくと思います。いずれにしても、かつてあったいわゆるトラディショナルスクールは、首都圏私立中高一貫校では探すのは難しくなりそうです。4つのタイプ(個々にはみな違います)が相乗効果を生み出し、日本の教育の新たな展開を生み出していくでしょう。
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