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2024年1月14日 (日)

2024年中学入試(48)栄東の算数 アルゴリズムの図形化

★今年の栄東の東大特待Ⅰの出願数は微減と言えども、1497名と人気は変わらない。算数の問題を見て、ただ難しい問題を出しているのではなく、新しいルールを見つけながらも、基本的な既習知識を結合して考える問題を出しているのは、さすがだなと。正六角形の一頂点から内部に向けて出た光がまたどこかの頂点にもどっと来る反射回転数を追跡する問題。対話形式で、どうやって考えていくのか話し合っている文章を読みながら、ルールを見つけて、正六角形の辺や内角、対角線などの基本的な条件知識を結び付ければできる問題。

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★与えられた一つ正六角形の内部をぐるぐるやっているとわからなくなるから、図のように六角形を外に書き足して展開図を書くように考えていくわけです。これは空間図形の問題でも学んでいるので、同入試を受験する生徒は既習済みですが、平面にその適用ができるかは、数学的思考の「変形・置換」などの重要な視点です。入学後、この視点を数学の授業の中で形式知化し、6年間で暗黙知化していく学びの方法の深みがあることが推察できます。

★また、二点間の最短距離、最短時間を求めるアルゴリズムをダイクストラ法的に図式して、速度を最短距離に置換える思考作業もするのも単に問題ができればよいというものではないという同校数学科のコンセプトであることがわかります。たんに論理的思考というのではなく、ある論理を位相転換できるかどうかというロジカルシンキングはクリエイティビティを育てる数学のあり方でもありましょう。

★(2)は、最初の光がBCをとおるときのBC上の点をGとして、BG:GDを求める問題ですが、先ほども言いましたが、これは正三角形が組み合わさっていると考える正六角形の既存知識を結合すれば、見た目ですぐに解答できます。

★中1で、二点間の最短距離を求める作図を学ぶのでしょうが、中学入試の算数では、すでにその発想を使うし、中1の数学の教科書以上に、いろいろな発想を新結合する問題が中学入試の算数です。

★いいわるいは括弧にいれて申し上げますが、このようなクリエイティブな数学的思考を小学生時代に学んでいるかどうかは、若い人材を育てるうえで、重要になってきます。文科省は、私立学校の教育の頭脳を中学入試で調べることはいくらでも可能です。

★そのエッセンスを具体的に小学校のカリキュラムに埋め込めば、少子化と言えども、つまり1学年70万人時代になったとしても、シンガポールやフィンランドの全人口が600万いかないことを考慮すれば、日本のソフト開発能力を豊かにできると思います。

★そういう教科書をつくれば、おのずと現場の教師は学びますから、自己研修もでき、日本の将来は明るいはずです。シンプルに、教師も生徒も革新性を学べる思考の書を創ったほうがよいでしょう。

★制度改革も大切です。一方で知的革新をお願いしたいですね。とはいえ、なかなかできないので、私立学校が先行するしかないわけですが。

★知の革新なんて難しく、一部の私立学校でしかできないのは、公平ではないと考えるだけではなく、その難しさの壁を解消する方法を考えたり実践しながら、あるいはシン最近接発達領域の開発を個別最適化システムで進めていくことによって、私立公立かかわらず、すべての生徒にその機会を作るという公平性を考える時代がやってきたのでは。

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