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2024年1月 8日 (月)

2024年中学入試(36)海城学園 昨日帰国生入試 教師も生徒も魅力的 それをさらに映し出す教育環境デザイン しかも授業がベース

★海城学園の帰国生入試が昨日行われました。同校の入試はA方式とB方式の二種類。国算・面接は共通で、B方式には英語のエッセイライティングの試験があります。昨日の出願数は、A方式が103名、B方式が50名(首都圏模試センター調べによる)で、倍率は5.1倍。相変わらず厳しい入試です。一般生だけなはく、帰国生にも人気があるということを示唆。その理由は、実にシンプルです。同校の教師も生徒も知的(知性感性身体性包括しています)魅力が学内に充満しているからです。

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(3年前の新しく建てられたサイエンスセンター・写真は同校サイトから)

★いわゆる御三家級の男子校で、帰国生入試を行っているところは同校以外には聖光学院くらいです。グローバル教育には学内ダイバーシティーが重要です。グローバルにオープンな道を明快に切り拓いています。もちろん、開成なども一般入試で帰国生が入っています。海城同様に海外大学進学準備教育に影響を与えているでしょうが、海城の場合は、チームグローバル教育なのです。

★生徒1人ひとりの個の才能を伸ばすだけではなく、チームとしてシナジー効果が生まれるように、各教科の授業のプログラムが創育工夫されています。

★チーム開成とかチーム麻布という文化はどこもあるでしょう。しかし、海城はチーム海城であり、さらにその中に各教科活動のチームがあるわけです。生徒のチームがあるわけです。この重層構造が教師の魅力を増幅し、同様に生徒の魅力を増幅します。

★新校舎サイエンスセンターも同様です。地学、物理、化学、生物の専用の実験室があるというのが、一般的な理科棟ですが、このサイエンスセンターは、個別の実験室以外に統合型の仕掛けがあります。しかも科学的な好奇心を旺盛に湧き出る仕掛けが、建築の中にアフォーダンス的にきめ細かく設計されています。施設そのものが教材だというコンセプトだそうです。さすがです。

★海城を志望する帰国生は、国際関係に進もうとはじめから思って受験しているわけではありません。グローバルな環境デザインもあり、理系の環境デザインもアメリカやシンガポールのエスタブリッシュスクールに負けないものがあると実感しているからです。そのシンボルがサイエンスセンターとして可視化されてもいます。

★そして、何より知的に楽しいのです。ドラマエデュケーションやプロジェクトアドベンチャーなど、世界標準のプログラムが学内で内製(もちろん外部団体とコラボして)もあるし、各教科のフィールドワークや実験、リサーチは、生徒自身の興味と関心を追究できる環境だし、その過程で好奇心が増幅していきます。

★同校のサイトを開くと、生徒を知る、教師を知る、先輩を知るという構成パーツがメインになっています。もうずいぶん前からこのコンセプトが実現されています。

★今ようやくビジネス界では、AI時代を迎えて、ヒューマンスキルが重要だとか今こそ人的資本経営だとか盛り上がっています。それは政財官学すべてにおいてそういう流れです。タレントマネジメントプラットフォームも盛んですね。

★しかし、海城は、自らの人的資本育成(もちろん有形資産というより無形資産の方が主たるねらいでしょう)の過程と成果を、生徒を知る、教師を知る、先輩を知るという表現で発信しているのです。

★このシンプルな表現の背景に目に見えない重層構造の知のネットワークが広く深く根を張っています。この不易流行のシステムは、唯一無二ですね。

★そうそう、海城の数学科の頭抜けた知はすばらしいということを添えておきます。文理を融合する流れがありますが、それは数学的思考(=哲学)がベースであり、理系が横断型のプロジェクトをどんどん開発できるのは、そういう理由もあると思っています。数学的思考は、いわゆる教科としての数学ではないのですが、それはいずれまた。

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