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2023年12月 3日 (日)

2024年中学入試(05)小泉信三賞が認める富士見丘の高校生活

★12月1日、第48回小泉信三賞全国高校小論文コンテストの審査結果が発表されました。その2位に富士見丘の高2の宮台さんが栄光を手にしました。このコンテストは、もはや説明する必要がないほど有名ですね。今回宮台さんが2位として認められたことは、実は人生の中で高校時代のあるべき姿の環境として富士見丘が抜群によいのだということも示唆しているのです。

Keio

(写真は、慶應義塾大学サイトから)

★というのも、今回の課題は以下の4つで、そこから選択して6000字から8000字もの長文の論文を書くのです。宮台さんは、3を選びました。

1.物語の力・声の力
2.社会の中の格差
3.人生の中で高校時代はどうあるべきか
4.フクシマ(Fukushima)
5.学問×AI×福澤諭吉

★上記の5つのうち3以外は、個人研究に終始してもできるのですが、3は自分以外に高校の教師、仲間、環境などすべての自分とのリアルな関係性をベースにしなければ書けないので、なかなかハードルが高いはずです。なぜかというと、論文である限り、どこかメタ認知的視点で書く必要があります。

★しかし、3のテーマは、あまりに身近で日々のリアルな生活の中での話ですから、メタ的に俯瞰する視点をもつのは困難です。よほど多角的な視点を持っていなければ6000字以上も書けないでしょう。したがって、それだけ富士見丘の高校生活の時間というのは、宮台さんにとって日々多次元であるはずなのです。

★中1から始まる「個人探究」、中3からはじまるプロジェクト、高1から始まるゼミナール形式のプロジェクト、多様な海外研修やWWLやSGHのネットワーク校との知の祭典など他校では経験できないような多次元の経験がつまっている密度の濃い中高時代の環境をデザインしているのが富士見丘です。

★宮台さんを含め今回の受賞者は、次の通りです。


【小泉信三賞】
浦上 真緒(うらかみ まお)栃木県/栃木県立宇都宮女子高等学校1年【選択課題:5】
「『表層的クリエイティブ』からの脱却~『令和時代の実学』を問う~」

【次席】
宮台 はびる(みやだい はびる)東京都/私立富士見丘高等学校2年【選択課題:3】
「『時』を捉え、『時』を紡ぐ」

【佳作】(五十音順)
青山 直樹(あおやま なおき)東京都/私立海城高等学校1年【選択課題:2】
「若者の貧困への考察 -『官民共同』を通しての解決へ-」

福井 愛朝(ふくい まあさ)千葉県/私立市川高等学校3年【選択課題:1】
「希望の物語、つなぐ声」

宮田 康生(みやた こうき)東京都/私立ドルトン東京学園高等部2年【選択課題:4】
「原発事故を踏まえた福島から考える日本のエネルギーの在り方」

★それにしても1位と2位は女子校の生徒です。世界の先進諸国では共学がある意味常識かもしれません。しかし、まだまだ日本では女性の社会進出にはガラスの天井があります。その中で、今回の結果は、希望がもてますね。

★宮台さんは、この日本のまだまだ女性に対するアンコンシャスバイアスがある社会構造にあって、それを打破する叡智を学べる女子校富士見丘であるべき高校時代を過ごしているのでしょう。日本における女子校の役割はまだまだこれからです。それを宮台さんは証明していると思います。おめでとうございます。

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