2024年中学入試(19)量の中学受験市場と質の中学入試市場の違い明確か 安田理さんの重要な記事
★JBpress 2023.12.18(月)安田 理さんの記事「中学入試「9年連続受験者増」が止まりそうな気配、受験熱は冷めてきたのか~開成、麻布、豊島岡女子学園などハイレベルな人気校が軒並み減少予想のワケ」は、量の中学受験市場と質の中学入試市場の違いを明快に示唆する中学受験市場のジャーナリストの見識を彷彿とさせる記事です。
(21世紀型教育に突入している首都圏の私立中高一貫校イメージ:制作はBing)
★詳しくは同記事を読んでいただければと思います。ここでは簡単にコメントします。NHKの取材にいつも応じている親日家であるドイツのマルクス・ガブリエルさんは、最近も日本を訪れて、日本各地を回り、日本は1990年代でまだ止まっているが、だから最先端の技術が見落としてきたマインドをまだ忘れていない。勝機はあると語ります。
★これは新自由市議的な欲望の資本主義(NHK的表現)がまだ続いているが、倫理的資本主義に真っ先に日本は移行できるということです。中学受験市場もそういう意味では1990年代でそのシステムは止まているかもしれません。しかし、私立中高一貫校は、マルクス・ガブリエルさんが指摘していいる世界的に忘却されようとしているマインドを、建学の精神でしっかり守っています。
★中学受験市場では、そのプレイヤーである模擬テスト会社も塾も、会員数を伸ばす量的競争に勝ち残る目的があります。その中で、首都圏模試は、質の市場へ転換しようと大胆に動いているので、中学受験市場が、マルクス・ガブリエルさんのいうように1990年代に止まっていると認識しはじめ、21世紀型市場である倫理的資本主義にシフトしようとしているのかもしれません。ウェルビーイングな中学受験などという表現は象徴的です。
★一方私立中高一貫校は、定員充足が目的ですから量の競争は全くしていないのです。定員充足するために、建学の精神に基づきながら特色ある独自のそして先進性・先見性ある教育の質を求めてきたのです。ですから1990年代から2011年に多少遅れましたが、21世紀型教育にシフトする私立学校が生まれました。最初は揶揄する受験ジャーナリストもたくさんいましたが、今では心の中で思っても、21世紀型教育を揶揄すると、欲望の資本主義者だと公言することになりますから、時代のダイナミズムを考慮するとなかなか公言できないでしょう。失言と捉えられかもしれませんね。その点首都圏模試センター取締役・教育研究所長北一成さんは、当初から21世紀型教育を高く評価していました。さすがです。
★今では、サレジアン国際学園に代表されるように、全私学が21世紀型教育にシフトするのは当たり前だという流れになっていますが、質の追究ですから、目に見えないので、量の中学受験市場ではまだまだ見えていない可能性があります。
★私立中高一貫校は21世紀型の中学入試市場にシフトしていきます。とても柔軟な教育内容や仕組みを、2024年4月からまたまた実行していきます。それはもちろん、教育関連法規の大きな2つの法律の改正によるものだし、その改正を私学がけん引してもいます。
★私立中高一貫校は、欲望の資本主義が倫理的資本主義にシフトしようとしている時代の要請に貢献する動きをいしています。この2つの法改正に中学受験市場は追いついていないことが、明らかになるのが、2024年でもあります。
★その予感を明快に中学受験市場の側から語っているのが安田理さんです。さすがです。
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