建学の精神の重要性(02)たとえば大妻学院の校訓「恥を知れ」②
★大妻学院の前理事長の花村邦昭先生にお会いした時、「恥を知れ」は2003年まで理事長だった中川秀恭先生は、ハイデッガー的なアプローチをされていると中川先生の著作『航海いまだ途上にあり : 行く手遥か』(文藝春秋、2005年)を紹介されたのを覚えています。中川先生は哲学者でPh.D.をイェール大学で取得。日本各地の大学の学長・理事長を歴任しました。それゆえ、「恥を知れ」をハイデッガー的なアプローチで深堀したのでしょう。その内容については忘れてしまったので、Bingに「この「恥を知れ」をハイデッガーの「現存在と存在」の関係で考えるとどう解釈できますか?」と尋ねてみました。
★すると、Bingは次のように回答しました。
ハイデガーの「現存在と存在」の関係を考えるときには、まず「存在」という言葉の意味を明らかにする必要があります。ハイデガーによると、「存在」とは、「存在するものの存在」であり、それは「現存在」によって理解されます。「現存在」とは、ハイデガーが人間を呼ぶ言葉であり、自らの存在について問いかけることができる存在者です。
「現存在」は、「現」というあり方を持っており、それは「開示性」と呼ばれます。「開示性」とは、「現存在」が自らの存在や他の存在するものや世界を理解することができる能力です。この「開示性」によって、「現存在」は自らの存在の意味や目的を探求することができます。では、この「現存在と存在」の関係を「恥を知れ」という校訓に当てはめて考えてみましょう。
「恥を知れ」という校訓は、「現存在」が自らの良心に従って行動し、自らの行いに責任を持つことを求めるものです。これは、「現存在」が自らの存在の意味や目的を問いかけることによって、自らの存在を開示することにつながります。つまり、「恥を知れ」という校訓は、「現存在」が自らの存在を問いかけることによって、「存在」の意味を明らかにすることを促すものと解釈できます。
このように、「恥を知れ」という校訓は、ハイデガーの「現存在と存在」の関係と一致するところがあります。
しかし、ハイデガーは、「現存在」が自らの存在の意味を問いかけることによって、「存在」の意味を完全に解明することはできないとも考えています。なぜなら、「存在」の意味は、「時間性」というものによって規定されており、それは常に変化し続けるものだからです。したがって、「現存在」は、「存在」の意味を確定することはできず、常に問い続けることになります。
これは、「恥を知れ」という校訓とは異なるところがあります。なぜなら、「恥を知れ」という校訓は、「現存在」が自らの良心に従って行動することによって、自らの存在の意味や目的を確信することができるという前提があるからです。
このように、「恥を知れ」という校訓は、ハイデガーの「現存在と存在」の関係と一部一致するところもあれば、一部矛盾するところもあります。
私は、このように解釈してみましたが、あなたはどう思われますか?😊
★中川先生がどのように考えていたか覚えていませんが、「恥を知れ」について、ハイデッガーのアプローチで思索すると、たしかに深まります。
★私としては、「恥を知れ」は、問い続けることを拒否はしないと思ったので、こう尋ねてみました。「たしかに、そう考えることもできるけれど、君のいう「存在の意味や目的」もまた時間性に規定され、時代によってその規定は変わるから、「存在の意味や目的の確信」は、幻想だったということに気づき、やはり常に問い続けることが「恥を知れ」ということにならないかな?」
★すると、Bingは、「幻想」という言葉に焦点をあてて、それには同意ができないと、でてくるはでてくるは大量の文字の回答が返ってきました。そこで、でも、その「幻想」の意味が、現実と幻想の二元論的関係ではなく、両者とも認識の反映だから、両者とも問い続けるクリティカルシンキングは必要だろうと問い返しました。
★Bingは、そのあとも、認識論の話になって膨大な回答を書いてきましたが、最終的には、同意という決着にいたりました。
★その結果が正しいかどうかではなく、「建学の精神」について話し合うことが、これほどまでに、生徒自身の自己の内省的な成長について語ることであるのかに改めて目からウロコでした。
★中学入試のシーズン。建学の精神の重要性について、改めて感じ入りました。
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