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2023年12月23日 (土)

2024年中学入試(24)大妻中野 今年も帰国生から注目される

★大妻中野副校長諸橋隆男先生から、今年も同校は帰国生から注目されたことについてお知らせがありました。同校が躍進続ける理由はたくさんあるのですが、PDCAのサイクルを回す速度が速く、一つ一つの活動が終わるたびに、リフレクションと課題発見、そして当然ながら今後の改善について学内で話し合い、ペーパーになって学内はもとより中学入試市場に共有されるアクションが凄まじいことだと思います。帰国生入試の結果については、次の通りだそうです。

【2024年度国内帰国生入試】

2023年度入試:出願117名 受験114名
2024年度入試:出願92名  受験92名

【2024年度海外帰国生入試】

シンガポール会場入試 出願28名 受験28名
オンライン入試    出願23名 受験23名
第2回海外帰国生入試 出願6名 受験6名 

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(写真は同校サイトから。2023年度第15回IIBC高校生英語エッセイコンテストで、4年連続で「奨励賞」を受賞)

★大妻中野を受験する帰国生は、洗足学園や頌栄女子学院などを併願しますから、英語力のレベルも英検でいえば準1級以上が多くなっています。つまり、大妻中野は、帰国生にとって、帰国生教育の環境やシステムが充実していると認識されているのです。

★英語の授業や、ネイティブスピーカーの教員の人数、海外研修の充実など当然優れているのですが、海外の大学を見据えた骨太の英語を活用した学びの実態があることが可視化されていることが一番でしょう。この視点は、国内生受験業界では、あまり注目されないのです。実はCEFRという言語能力を測定する基準は、英語だけではなく、多言語を測定できるもので、実は言語=思考能力のレベルを示唆するものです。

★帰国生は、B2以上の言語=思考能力をもつことが当たり前になっていますから、学びの環境を見る時に外生的技術だけではなく、内生的技術の進歩も見ます。ところが、国内受験生は、取り巻く受験業界が、教育の目玉は何かとか、大学合格実績はどのくらいかなどの外生的な技術進歩に目が行きがちで、内生的技術進歩の話をすると難しいから受験生の親にウケないと判断します。

★本質的なテーマにアンテナが張られ、思考する習慣がつくには、CEFRでいうと日本語でもB2レベル以上でなければならないのですが、そのレベルにいかなくても生きてこれた日本の1990年代の産業文化の習性だからしかたがないのです。

★ところが帰国生が期待しているのは、グローバルシフトできるB2以上の言語=思考能力を育成できる学びの環境とシステムです。そしてそのような帰国生を迎え入れるには、一般生も同様の環境を活用するようになっていなければなりません。学内全てがB2レベル以上の言語=思考能力のレベルを体得しようというモチベーションで満ちていなければ、そもそも帰国生は集まらないでしょう。

★大妻中野は、その環境を毎年アップデートし続けています。

★たとえば、同校では、TOEICを運営するIIBC国際ビジネスコミュニケーション協会が主催する全国の高校生を対象とした英文エッセイコンテストに毎年、高1、高2生がチャンレンジしています。今年も数多くの生徒が英語エッセイに取り組み、応募。今年で4年連続の「奨励賞」を受賞しています。この息の長い学校全体での取り組みはかなりのインパクトです。

★そして、同校サイトには、こうあります。「本校の外国語教育の特徴は、外国語のスキル習熟に留まらず、外国語を学ぶことを通して、論理的な思考力を養うとともに、世界と身近な社会にある課題を発見し、多様な文化、価値観を持つ世界の人々と協働して、その解決に取り組んでいくアカデミックな力とマインドを身につけることにあります。そのために、様々なエッセイコンテスト、スピーチ、プレゼンテーションコンテストに生徒が自主的にチャレンジしています」と。

★このパーパス(存在意義の価値ある目的)を実現し続ける大妻中野は、帰国生だけではなく、教育界の希望でしょう。

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