真下峯子校長 今だから女子校の重要性 現状の社会構造を変える役割
★日本教育新聞(2023年10月23日号)に昭和女子大学附属昭和中学校・昭和高校の真下峯子校長のインタビュー記事が掲載されています。
★3校の女子高で校長を務めていますし、共学校でも教鞭をとった経験もあるそうです。何よりご自身女子校出身、そして奈良女子大理学部生物学科卒です。
★現状の日本の社会構造やその多大なる影響を受けている現場のジェンダー問題をリアルに公平に捉えています。中高時代は、ジェンダー問題について理解を深め、世界的な視野でリサーチして解決策を探る学びのプロセスの時期、その時期にすでに環境がジェンダーギャップ当たり前という状況であるとすると、ジェンダー問題をとらえる公平公正な目や深い問題意識が中途半端になる恐れがあるということです。
★この強烈なリアリティに説得力があるのは、真下先生の人生そのものが証だからです。
★性別の違いで、社会活動の役割が固定されてしまうことは、実は世界を狭くしてしまうことだというのが真下先生の問題意識であるようです。ですから、中高の別学と大学の別学は同じように捉えてはいないのです。
★女子高で公平公正な目を備え深い問題意識を備えても、大学に進んだとき、共学でないとさらに広く深い議論ができない可能性があると語ります。現状の社会構造では、女子大の価値もまだまだあるけれど、中高の教育次第では、大学は思考の壁をつくるようなシステムはどうなのかということでしょう。
★結局、大事なことは「男女共同参画を進めるためには、男子校でも女子高でも共学校でも、異性について学び、尊重する姿勢を養うことが欠かせません」ということです。ただし、人間は現実の環境=社会システムの影響を受けるから、意識してその影響を受けないように、つまりメタ認知することが必要なのですが、メタ認知の用意ができていない段階でそのような社会システムに入れるのは現実的ではないでしょう。
★では、男子校と女子校がよいのか?いや女子と男子では、格差をつけられる側とつける側という違いがそもそもあるので、男子校は逆にこのシステムを強化するシステムになってきた歴史があります。
★このことについては、開成の野水勉校長が、日本経済新聞(2023年10月29日オンライン)で論じています。男女共同参画を進めるために共学化も考えなければならないが、現状ではまだ機が熟していないと。現状の男子だけの居心地のよい男性社会に女子生徒をすんなり迎え入れることの危うさについて野水先生は熟慮しているのでしょう。
★男女別学か共学かの問題は、理想と現実の社会システムのギャップ問題を政策担当者が考える必要があるのですが、それがなかなかうまくいかない歴史的経緯があります。その複雑で政治力学的なところまで、一私立学校の力ではどうしようもありません。各学校が現状のシステムを良い方向に変えられる人間力を生み出す教育力をまずは強化することが優先順位として高いということなのかもしれません。
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