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2023年11月22日 (水)

外生的技術進歩と内生的技術進歩の統合 人的資本がカギ

★ここ最近、日本経済新聞の「やさしい経済」のコーナーで、京都大学教授 佐々木啓明さんが、「人口減少時代の経済成長」という論考を寄稿しています。経済成長の1つのモデルは、ソロー・モデルですね。人口が増えることを前提にした外生的技術進歩による生産量の持続可能性が中心です。佐々木さんは、人口が減っても資本深化によっては、一人当たりのGDPが増える場合があることを語っています。

 

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★しかし、これも限界はあるので、ノーベル経済学賞受賞者ポール・ローマなどの内生的成長論も紹介しています。外生的技術進歩とは、外部的な要因によって起こるものを指します。例えば、気候や鉱物資源などの自然環境、政府の政策や法制度などの社会環境、他国の技術革新や国際貿易などの国際環境などハード面の技術の進化でしょうか。

★これに対し、内生的技術進歩とは、経済内部のメカニズムによって決定されるものを指します。例えば、研究開発や学習効果によるもの、集積の経済や誘発的技術進歩によるものなどです。ソフト面の技術の進歩ということでしょうか。

★両方ともマクロ経済学ですが、これを教育で考えると、内生的成長はミクロ経済にも関係しているように見えます。

★マクロなのかミクロなのか、専門的なことはよくわかりませんが、労働人口が減った場合でも、内生的技術進歩によって、一人5人分くらいの仕事ができれば、一人当たりのGDPは右肩上がりになります。

★しかもソフト面が進化すれば、それを形にするハード面も進化するので、外生的技術進歩もあるでしょう。要素還元的にではなく、資本深化、労働人口、外生的技術進歩、内生的技術進歩は、当然関係総体です。

★ところが今まで、企業も学校も、内生的技術に関しては読み書きそろばんレベルを整えてきただけであり、外生的技術進化は一握りの専門家に任せてきました。

★ところが、内生的技術進歩は、すべての労働者、つまり地球市民の知性を広げ豊かにする作用がある可能性があるのです。

★少なくとも、人口減少の傾向にある日本は、ソローモデルを読み替える必要があります。

★それに関しては、総務省が、すでにアイデンティティとは何か、アバターの有効性は、AIの活用の有効性はなど、内生的成長理論の新たな読み替えを開始しています。

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