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2023年11月23日 (木)

羽田国際② 人口減の未来に外生的技術進歩と内生的技術進歩を統合する人材輩出に期待

★来年から羽田国際高等学校として共学化し、グローカルシンキングを実装する生徒育成の新しい教育を実践していく全く新しい学園が誕生します。順次中学も開設していきますが、簡野校長は、次の学習指導要領の改訂の行方を既に読み取り、その改訂では、激しい世界の変化についていけないかもしれないと見通し、さらに未来の教育からバックキャストして新しい中高一貫校を計画しているようです。

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★GIGAスクール構想に基づいて、多くの学校が新しい学校づくりを開始していますが、すでに、そのスキルでは、生成AIの日々進化がもたらす社会の新たな変化についていけなくなっている可能性があります。文科省は、それにすでに気づいており、DXハイスクール構想を補正予算として組み、日本の1000校に1000万の助成金を用意していると言われています。

★東京都の方も同様です。すでにTOKYOスマート・スクール・プロジェクトが動いています。そしてTOKYOデジタルリーディングハイスクール事業について、都立高校の「TOKYO教育DX推進校」を指定しています。

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★上記のパンフレットも出され、学び方・教え方・働き方の3つの側面からDX化を進めようということです。このプロジェクトは、コロナ禍でプランされている<「未来の東京」戦略>の一環の動きです。その 附属資料として今年「東京の将来人口」という多角的な視点からまとめられたデータ集も出ています。その中で、中高にとってわかりやすいのは、次の人口推移です。

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★ご承知の通り、とにかく人口減なのです。自然減は止まりません。東京都外からの転入や働きやすい環境をつくって外国人を増やす「社会増」を増やす戦略が練られています。そのための環境として、一つは外生的技術進歩だというわけです。前回も日経のやさしい経済の京大佐々木教授の寄稿について紹介しましたが、人口減少の中で経済を持続可能にするには、外生的技術進歩によって一人当たりのGDPを上げるのだということでしょう。

★そのためにはDX進化は欠かせないと。

★羽田国際も、そのような社会増の環境の一環として、グローカルシンキングの育成の外生的技術進歩の準備をしています。しかし、簡野校長は、やはりさらに内生的技術進歩をいかに創り出すかなのだと構想しています。佐々木教授も内生的技術進歩の重要性についても触れています。

★外生的技術進化は、等しくすべての生徒にとって有益ですが、シンキングやケアのレベルでの個別最適化にはなりにくいし、個別最適化がリスペクトされた協働学習でないと効果的ではないわけです。1人ひとりの興味関心、モチベーションなどが湧いてくるには、思考や気持ちの状態が1人ひとり違うところに教師がチュータリングやファシリテートしていく必要があるからです。

★従来の教育DXでは、学力の3要素のうち「知識・技能」に関してはそれはできていましたが、思考力や判断力、表現力、主体性などへの「最近接発達領域」のアプローチができていませんでした。それをどうやってやるのか?簡野校長先生は、当然そこは「生成AIの形式知化実装」(この表現はまだ企業秘密として発表できないということなので、イメージとして私が勝手につけました)なのだと。

★たしかに、2027年から2032年ぐらいの間に実施されていく次期新学習指導要領では、そうなっていくでしょう。ただ、電子教材やデジタル教科書を活用するので、大きな未来の教育の枠組を構築するのは難しいかもしれません。

★国内だけで仕事ができるならば、それでよいのですが、2030年は、そのような世界ではないですし、すでにそうでないのは、ファストフード店(そばなどの和食も含めて)にいけばすぐにわかります。

★したがって、羽田国際のように、世界を牽引する教育を、独自に先進的に私学が進むことによって、その世界とのギャップをうめていく気概が重要になってくるでしょう。

※)参考→羽田国際① 新しいグローカルシンキング教育へ

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