私立学校の教育は経営システム基盤と経営コミュニケーションがレバレッジポイント 事務長の人間力が凄い
★昨日から、オークラ千葉ホテルで、私学経営研究会「令和5年度 事務長研修会」が行われています。東京私学教育研究所が同研究会の委員の先生方と実施している研修です。毎年好評で、申し込み告知1週間程度で定員は満たされるほどです。教育改革や学校改革というと、教師の活躍が脚光を浴びるし、校長がスポットライトを浴びます。それはそれで大いに結構なのですが、そのような変化を生むことができるのは、実は事務長と事務スタッフの存在がしなやかで子供たちの未来のために身を粉にして貢献する人的資本が蓄積されているからです。
委員会のメンバー(敬称略 番号は支部番号)
委員長 根本 欣哉(⑨専修大学附属)
委 員 相川 忠洋(①麴町学園) 野尻 富太郎(③東京女学館)
江上 亀男(⑨堀越) 豊田 美樹 (⑪明治大学付属中野八王子)
原田 茂 (⑫明星学園)
東京私学教育研究所 私学経営研究会 佐瀬・船江
★なぜすぐに各事務長が集結するかというと、学校会計や施設管理、労務管理、リスクマネジメントなど私立学校組織開発の学問はないので、各学校の独自の規範や基準で動いているため、社会の法改正や行政政策変更などは、その都度弁護士や会計士、税理士などと協力しながら、学校運営をしていく必要があります。
★当然、その独自の規範や基準にはDXや変形労働制、部活、教員採用など、創意工夫がされている一方で、その信頼性や正当性、妥当性は客観的に検証する必要があります。
★教育関連法規や労働関連法規も大枠は遵守するのは当然ですが、具体的なことは、ケースバイケースバイでということになります。しかし、ここが強くしなやかな基盤をもっていないと、国や都に私学が一丸となって予算要望をするときに、スムーズにいかないのです。
★おそらく、ここはほとんどの教員が認識しなくても、教育活動ができている部分です。もしそこを意識しなくても満足度の高い生活ができていると思った教員は、自分の学校の事務スタッフのおかげであるのだと思うだけではなく、全私学の事務長がスクラムを組んで、具体的な状況やノウハウの情報交換をし、しっかり基盤を形成しているからだとイマジネーションを広げてみるとよいと思います。
★来年4月から、合理的配慮の義務化が実施されます。事務長及び事務スタフの方々が、さらに人権意識を高め、具体的に互いの人権を守り合うコミュニケーションの取り方をリフレクションするのが今回の目的の1つでした。
★また、「教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策(提言)」を読み込み、生徒及び教職員のウェルビーイングを生み出す学校づくりの土台について語り合っています。
★今回も、学校法務関係に強い弁護士法人「名川・岡村法律事務所」の弁護士の方々に講師と分散会のアドバイザーを依頼して行っています。
★学校は、社会と世界とつながっているのは当然ですが、つながるときの直接的なルールは、道徳や校則ではないのです。それは法律なのです。ですから事務長の見識やコミュニケーションは、まずはリーガールマインドをベースにします。そのフレームがしっかりあるから、道徳や校則が機能します。
★この点は、教育ジャーナリスの中には、あえて不問に付している方もいますね。法と道徳と校則の関連を議論せずに、校則だけ変えればそれで学校改革だと前面に押し出してくるというケースがそれです。
★教育は社会とつながっているのは当然です。経済と政治と法律などと関連するのも当然ですね。学校の社会との連携は昨今広がりを見せています。アントレプレナーシッププログラムも広がっています。DXも広がっています。経済や政治、法律についての基本的な原理原則を学ぶことはとても大事です。
★そのような点において各学校の事務長が真剣に熱く情報共有している姿に、私立学校の未来はあると感じ入りました。
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