中学入試コミュニケーション(01)5つの目
★少子化の危機がひしひしと迫っている中、昨今首都圏の「中学受験」は、加熱しているなどとジャーナリスティックに語られています。このことを私立中学はどう受けとめるのか?生徒募集としては間違いなくウェルカムではありますが、中学受験を上手に活用できなくて保護者も子供も精神的に追い込まれるのは困ります。ジャーナリスティックには、そこを取り上げるのは、クリティカルシンキングとして素直に受け入れ、そうならないように受験生と保護者と共に「中学入試市場」を創っていっています。私立学校は、自分たちがつくる「中学入試市場」(現状の「中学受験市場」とは違います)では、そうならないためのコミュニケーションをしています。
★どんなコミュニケーションかというと、共感的コミュニケーションです。強制的に勉強させようとか、内発的モチベーションがない生徒に、無理矢理人参をぶらさげることもしません。そのような抑圧的コミュニケーションが、生徒も実は教師も精神的負担を担わせることになるのは、現場で身に染みて理解しているからです。
★ですから、入試問題は学校の顔であるので、中学入試の問題においても、そのような共感的コミュニケーションが反映されるように創意工夫しています。
★学校説明会に行くと、学校の魅力を説明するわけですが、その魅力はこんなことをやっているどうだすごいだろうというような抑圧的なコミュニケーションはとらないわけです。説明会に参加している受験生や保護者が共感できるように、どうしてこのような魅力的な教育をつくっているのか丁寧にプレゼンします。
★その説明を聞いている受験生と保護者の内面には、その魅力的な教育が生まれてきた背景がわかります。「鳥の目」が開くのを感じるでしょう。また、建学当時から現在に到るまで、時代の流れをつかみ、変えざるものは変えないけれど変えるべきものは変えるという時代の流れをつかむ「魚の目」が開くのを感じるでしょう。
★そして、学歴社会を象徴する優勝劣敗主義や偏差値ランキング、エゴイズムなどで教育を捉えない、つまり生徒1人ひとりの才能が開き、それが社会の貢献につながっていく個別最適化と利他主義をつなげようとしている創意工夫に気づくでしょう。すなわち、逆転の発想に気づき衝撃を受ける「コウモリの目」が開くはずです。
★そして、現場に生徒1人ひとりの才能を見つめることの授業デザインがあることに気づくでしょう。「虫の目」が開かれます。
★最終的には、何より生徒の成長を大学進学実績だけで捉えずに、生徒自身の考え方や感じ方など生き様が変容していく成長の様子を温かく見守る教師の存在に感動するはずです。「心の目」が開くのです。
★「中学入試市場」では、受験生・保護者と学校側がこの「5つの目」を共有する共感的なコミュニケーションを大切にしています。
★大事なことは、この目は各人が自分の内面に開くことです。この5つの目こそ、自分自身のものの見方・考え方・感じ方の基準を作ります。その基準を互いに共有できるかどうかを選択判断するのが「中学入試市場」です。校風や建学の精神を、両者が大切にしているのは、そういうわけです。
★他者と比較してでてくる他人がつくったモノサシは、客観的といわれますが、その概念はほんとうにそうでしょうか?こどものための哲学対話を少し行ってみる(多くの私立学校が取り入れています)だけで、そうでないことがわかります。もちろん、自分の中の基準は主観ですが、それが学校の主観と共感するとき、インターサブジェクト(相互主観)が生まれます。
★これからの時代は、この相互主観を共に創り続けていく時代です。それの出発点が5つの目が開眼することです。
★この5つの目は、実は入試問題作成段階で反映しています。それをどうやって見抜いていくか、入試問題を解くというのは、その5つの目を活用していくことです。このことに気づくと生徒はめちゃくちゃモチベーションが内発的になります。目の前のものが多角的にみえてくるし、氷山モデルでいう、水面下の目に見えない部分が見えてくるのです。(つづく)
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