香蘭の教育 「なぜ」「知りたい」「面白い」という気持ちを大切にする
★2024年度の首都圏中学入試で注目されている学校の1つに香蘭女学校の存在があります。朝日新聞(2023年10月28日)の「校長から受験生へ」で、校長鈴木弘先生は、今年の高校2年の大学入試から、立教大学の推薦枠が160人になり、「全入」を実現することができるようになるが、それは「学校の人気を上げるための目的ではありません。受験だけをモチベーションにした勉強をしてほしくない」と語ります。
(今年メディアルームも完成した。写真は同校公式facebookから)
★『「なぜ」「知りたい」「面白い」という気持ちから学んで欲しいのです』と語るのです。この気持ちは、ビル・ゲイツやジョブスが憧れたノーベル物理学賞受賞者ファインマン博士も科学者として大切にする構えです。
★とはいえ、推薦されるには、英検2級以上の取得や一定以上の学業成績もクリアする必要があるとのことです。さりげなく語りますが、2級以上のレベルに160人が達するには、相当ハイレベルなグローバル教育の環境がデザインされている必要があります。
★鈴木校長は、就任してから推薦枠を80人から97人と増やし、そして160人に増やしたわけですが、それには立教大学の香蘭の教育に対する信頼性、正当性、妥当性を得る教育内容の充実という論拠があったからこそでしょう。
★立教大学にはない医学部や工学、芸術学部などに進む生徒のための準備はもちろん万端ですが、文理関係なく、「なぜ」「知りたい」「面白い」というモチベーションは共通しています。
★そのような内発的なモチベーションが生まれてくるのは、別学のメリットが大いに関係します。鈴木校長は、まだまだ日本社会はジェンダー問題がある。アンコンシャスバイアスで、無意識の抑圧や同調圧力がある社会とは全く違う開放的精神が広がっている別学だからこそ、そのようなモチベーションが生徒1人ひとりの内なる光となり得るのだと。
★そのようなモチベーションをもって大学に進み、社会に出たとき、日本社会の様々な壁を崩していく貢献を果たす役割を果たすことでしょう。ハラスメント撲滅やジェンダー問題解決へと意識が高くなっている時代だからこそ期待されるのでしょう。注目される理由がこのような本質的なものであれば、そこから社会は善なる方向に変わり始めます。
★鈴木校長の気概に続きましょう。
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