『学びとビーイング』が新しく開くコト
★「学び―イング・リアルライブミーティング 第1回」に参加して、感動したことを本ブログに書き込むと、安さんから丁寧なコメントが共有されました。一部引用させていただきます。
10月1日に本間さんとひさしぶりに少し長くお話をして、思い出したことがあります。本間さんと私は、30年近くまえにある企画をして一緒に本をつくったことがあります。『子どもと本 31人からのメッセージ』という児童文学、小学国語の可能性を探った本で岡田淳、山末やすえ、さとうまきこ、佐藤宗子、藤田のぼるなどの諸先生方に参加していただきました。この仕事は、いまでも私のなかに脈々と息づいています。
そして気づいたのですが、本間さんに「ほめて」いただいた『学びとビーイング』のコンセプトと30年近く前の児童文学の本には、類似点があるなあと。
★そうでした。私たちの児童文学との出会いを一つの本にしてみようという試みだったと思います。当時の私たちが所属していたあるグループ団体は、結構教育の本質について語り合う熱い組織でした。安さんはその出版部門のリーダーでした。私は教務で好き勝手なことをやらせていただいていました。
★出版と教務ががっちり結合していたそういうグループでした。教務の方では、心理学はピアジェとコールバーグについて読書会が行われていました。児童文学の最盛期だったかもしれません。それでフィリップ・アリエスの「<子ども>の誕生」や河合隼雄さんの「子どもの宇宙」も読んでいました。
★20世紀の3大発見は「子ども」「狂人」「未開人」だと言われていたころです。心理学、精神分析、文化人類学がトレンドになっていたときだったと思います。
★そして、アルビン・トフラー夫妻が、そのグループの1つ渋谷の施設を電撃訪問し、風のように去っていったこともありました。立ち会えなかったのは残念でしたが、ちょうどそのとき、教務の仲間と、彼らの新刊「パワー・シフト」を読んでいたところでした。
★21世紀は、軍事力から経済力、そして教育(知の)力へパワー・シフトする世紀だというのです。まだまだ途上ですがそういう気配はたしかにありますね。<子ども>の誕生から子どもの宇宙、そして子どもの世紀へ。児童文学はそのビジョンを輝かせてくれました。
★当時は子どもたちの校内暴力や引き続き学級崩壊がニュースになっていた時代です。河合隼雄さんは、それがどうして起こっているのかその宇宙を解明していました。そして変革の子どものテーマで研究は広く深まっていました。
★私は、子どもの成長をハーバーマスのコミュニケーション行為をヒントとしていました。社会学的な視座も必要だと思っていたからです。子どもに問題があるというより、子どもの才能の広がりに壁になっている環境や大人の偏見があるということを、アリエスや河合隼男さん、ハーバーマスに学びながら、それについて子ども自身が気づくコミュニケーション能力を児童文学を基盤にデザイン出来たらと思っていました。
★当時のカリキュラムコンセプトは、自己中心的コミュニケーションから創造的コミュニケーションへで、自己中心にさせるそして創造性に壁をつくる権力的コミュニケーションを払拭する言語の役割を学ぶというシンプルなものでした。
★その方向性は、今もあまり変わっていません。幼児から高校生に成長するにつれて、主体的に学校や地域、世界を「共に創る」OODAbleな能力を発揮できる環境をと。
★しかし、その環境は一つの学校や団体で完結できないことは薄々感じていましたが、今回のミーティングに参加して、それを確信しました。そして、私自身、自分のビジョンそのものがさらに変容していかざるを得ないのだろうなあと。またも未知のワクワクするような宇宙が広がる可能性が大なる安さんの智慧とアクション。楽しみです。
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