学校づくり委員会 AI脅威論は近代の無意識「心身二元論」に帰因?
★学校づくり委員会(東京私学教育研究所が実施する研修を創る委員会。25委員会あるうちその一つが本委員会)は、毎月1回土曜日に行われています。4時間くらい対話をする委員会で、毎回委員の先生方がレジュメとかレポートを提出してディスカッションをするわけです。私も参与的オブザーバーとして参加させていただきます。毎年世の中が注目しているテーマについて、その背景にある真実は何かを追究しているというのが私にもわかってきました。
★文科省や各大学が、世の中のAI脅威論に対し対応する生成AIのガイドラインを出しているわけですが、その信頼性や妥当性以外に、正当性を語り合っています。
★もともと委員長の梶取先生(現大妻校長・前武蔵校長)は、身体と言葉の関係性を体系化したり整理をしてきました。それと生成AIの関係をどうするのか、新たな思考を繰り広げているのです。そして、委員の先生方も、その考えに共感しながら、それぞれの切り口でアプローチしています。
★自分たちが創ってきた教育に生成AIはどうつながっていくのか、独りよがりにならないために、世の中の研究やセミナーに参加し、情報を収集しています。また、政財界官の資料やデータを分析もしてもいます。そして、そもそも近代とは何かから、AI脅威論がどうしてうまれてきたのか、その原因を近代の無意識であるデカルトに影響を受けた心身二元論にあるのではないかというところまで詰めて行っています。
★哲学や社会学、心理学などの学問的分野では、近代を徹底的にフィールドワーク。解読、解釈するフレームやレンズを生み出し、心身二元論のアポリアを掘り起こしていますが、ポピュリズムに代表されるような状況に至る近代世界が生み出した無意識は、まだまだ心身二元論が根付いています。
★梶取先生は、そのような学問的成果をすでにご自身で教育現場で感じ、その心身二元論を超える教育活動を行ってきたわけです。したがって、AI脅威論を支える無意識の二元論を露にして、そのアンコンシャスバイアスを払拭する教育出動をすれば、AIの人間を超える優秀性を活用しながら進めるのではないかと考えているような気がします。ご自身はまだまだ追究の途上だと語るので、結論を急ぐ必要はないのですが、私はどうもせっかちですね(汗)。
★ガイドラインも、対症療法的な作り方から、アップデートしながら、その根本的な問題に気づき組み立てていけばよいのですが、この心身二元論のパラダイム転換をすることは、実は結構社会のあり方を変えるインパクトがあるので、果たしてどうなるやら。ここはやはり私立学校ならではの発想の自由の余白が有効かもしれません。
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