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2023年10月16日 (月)

中学入試コミュニケーション(06)新タイプ入試 探究的手続きで知識を自ら創る聖学院の思考力入試問題に学ぶ

★2013年以降、新タイプ入試が、2科4科以外に行われ始め、今日かなり増えています。おそらく述べですが、首都圏中学入試においては1万人くらい受験生がいます。大学入試でいえば「総合型選抜」に相当すると言われています。知識を知っているかどうかではなく、知識を活用できるかどうか、さらには聖学院の思考力入試のように新たな知識を創ってしまうほどのものもあります。

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★受験においてしばしば知識は、名称と辞書的なあるいは用語集的な意味としてのコンテクストを覚える成果物として捉えられています。ですから、暗記すればよいと思われがちです。実際受験と暗記はセットでしたね。

★しかし、もともと知識は、辞書や用語集に格納される前には、先人が考えたり感じたりしたもののうち客観性や公共性を付与された成果物として創られたものです。いちいち考えや感じたコンテクストや具体的状況、それらを認識したり振り返るプロセスなどをひもといていたら大変です。ですからショートカットして名付けてスムーズに使えるように効率性や便宜性を備えたわけです。

★その知識に到る過程こそが思考であり探究なわけです。知識を学ぶとき、このような探究的な手続きをすることで記憶格納庫である海馬を活性化したりするわけですね。この探究的手続きをカットして名称と意味を覚えることを暗記というわけです。意味はわからなくても、空欄補充の前後の文脈で条件反射的に名称がでてくるような暗記をしている場合も結構あります。

★そのような暗記による知識の学び方ではなく、探究的な手続きを経て知識を記憶し、活用できるかどうか、つまり思考力を豊かにしてきたかどうかを思考力入試ではみるわけです。ですから知識ではなく思考としての探究をという二元論は脳科学や認識論的には世俗化したものの見方です。

★レゴなどをつかって、自分の気持ちを表現する、問題意識を表現する、解決策を表現することは、知識を生成する思考過程です。探究的な手続きができると評価されます。知識と思考や探究は一体なのです。当たり前ですよね。それなのに、知識と思考を分けてきた。不思議ですね。

★ともあれ、その新たな知識は、入試段階では生徒1人ひとりの主観ですが、聖学院は試験の中で振り返るピアインストラクションもあります。そこでリスペクトし合ったり、理解されるることによって、インター主観が形成されます。それが公共性を帯びれば客観性へと発展します。

★そのような知識生成力を持っていれば、先人たちが創ってきて辞書や用語集に収められるている知識を再現しながら再発見して記憶していけるでしょう。

★知識を暗記するのは不得意でも、思考力入試で、知識を生成する探究的手続きを冒険できる生徒は、当然合格するわけですが、入学後、知識を再現し再発見し記憶し活用し、さらに新たな知識を生成し創り上げることができるわけです。自ずと成績優秀者になるわけです。

★聖学院の思考力入試は、知識が再現と再発見と新生成による新発見と創造によって社会をアップデートしてきたことそしてアップデートしていく作用があることを明らかにした画期的な試験です。

★中学入試段階で、「再現と再発見」と「新生成による新発見と創造」の作用両方が得意な生徒もいるし、どちらかしか得意でない生徒がいます。それは個々人発達段階がちがうからです。この発達段階の違い(最近接発達領域の差異ということでしょう)に対応する多様な入試が重要なのは言うまでもないですね。生徒の才能が開花するには、この多様性を受容できる入試制度が今求められているのです。

★今後は、既存の知識を「再現」「再発見」をショートカットして活用するのは、AIに任せ、「再現と再発見」「新生成による新発見と創造」の力と実は新たに創ったものの名づけは、まだ人間の手に残るとよいですね。

★人類は、しかしAIに始まったことではなく、イノベーションするたびに、次なる新発見や創造をしてきました。この微妙なズレがなくなったとき、人類はもはやAIに太刀打ちできなくなります。さて、今後は人類はどんな進化をしていくのでしょうか。怖くもあり期待感も高鳴りますね。

★いずれにしても、中学入試コミュニケーションの真骨頂は、受験生が探究的な手続きによって知識を記憶しさらに新しい知識を創造する創造的対話ができることなのです。

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