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2023年9月24日 (日)

工学院の魅力④ 生成AIの研修会も続けている

★工学院の生徒の共感的コミュニケーションと論理的コミュニケーションと創造的コミュニケーションの内的システムについては、いずれ述べますが、そのような3つのコミュニケーションを統合するコンセプトレンズを形成している環境の大きな一つに

ICT環境があります。

もう一つはグローバル教育です。

そして多様なPBL環境があります。

さらにラウンドスクエアとかケンブリッジインターナショナルなどとのエスタブリッシュな海外教育との強い絆を持っているということもあります。

★私が訪問させていただいた当日、帰り際に田中歩先生から、これから希望者が集うICTの研修会があるけれど、見学してみませんかと誘われたので、もちろんですと参加させていただきました。

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★希望者と言いながら、ほとんどの先生方が参加していました。もともとICTを担当する委員会というかプロジェクトチームがあって、そこで毎週のように戦略と先生方が実装できる仕掛けを創っているのは知っていました。ですからあのパンデミック下で、どこよりもはやくオンライン授業を開設できたのは、各メディアで紹介され記憶に新しいところです。

★しかも、頻繁にいろいろなSNSツールで教師も生徒もやり取りしていて、授業などで使って便利だと思うアプリやサイトの情報は速やかに共有されています。データベースの一元管理も進んでいます。もちろんセキュリティはしっかりしています。

★ここはさすが中野校長の采配はすごいなあと感心しています。フラット、フェアー、フリーという3F雰囲気は、それを完遂するICT環境が大きく影響するのは、GAFAM以降の世界的な流れです。

★ただし、この環境を中高で整備しているところは、ほとんどないでしょう。しかもこの恩恵に浴することができるのは、教師のみならずもちろん生徒もです。ですから、集まってもらった生徒にフォームで問いを出したときも、宮井先生がすぐに生徒にURLやQRコードを送り、ある生徒はPCで、ある生徒はスマホで対応しました。まったく日常化しています。

★教師も生徒もスマホとタブレット型PCを自在に使っている学校です。ですから、対面でこんなに集まって何を研修するというのだろうと興味津々だったのです。

★するとChatGPTスペシャルな研修だったのです。講師は安藤昇先生。教育業界でも有名な方です。さすがは中野校長のネットワークだなと。安藤先生はスタディサプリでも講座を持っています。同サイトでは、次のようなプロフィール紹介がされています。

「青山学院中等部講師。情報科教育、プログラミング、AI活用などの授業・講演実績多数。プライベートスタジオを持つ、映像授業制作のプロフェッショナル。ICT技術を活用した新時代の授業は、受講希望者が殺到するほど大人気」

★大人気の訳は、スピーチを聞いてすぐに了解できました。生成AIを弾丸トークに合わせながら瞬時に実演しながら行っていくのです。歯に衣着せぬ未来を目の前で切り拓いている教師像がそこにあるわけです。話しながら校長ともフラットなコミュニケーションをとったり、とにかく形式レス・権威レスなトークが痛快でした。

★そして何よりスピーチのコンテンツですが、なるほど!と思わせる重要な内容だったのです。生成AIをよく、テスト作成の仕方だとか保護者への案内文の書き方だとか、生徒が作文などAIで書いてくるときの防止対策だとかいう話が、教育業界では多いのですが、そんな話ではなかったのです。

★教育業界の外では、プロンプトエンジニアリングの話が満載(これで5000万稼ぐ人がいるとNHKでも報道されています)です。コード無しのプログラミングを自在に使うことによって、ドラえもんではないですが、何十人もの分身の術が使えてしまうのです。しかもクリエイティブな仕事もOKです。

★ケインズの孫のための未来のあの予言はどうやらあたりだなと感じながらお聞きしていました。

★ICT業界の仕事の基本はデフォルトです。たとえば、100段階の難しい仕事をこなすとき、今までだったら、1から何年もかけて修行をしてこなしてきたわけですが、30段階まではデフォルトとして、ICTを活用すれば、31段階目からできたわけです。しかもそこから先は多くのステークホルダーと連携しながら。ところが、生成AIの出現で、99段階までは、デフォルトできてしまうのです。最後の1段階はオリジナリティと性能の差別化です。そこはまだ生成AIではできないので、その段階は、優れた同僚とステークホルダーと創造ミーティングをすればよいわけです。

★そんな時代を目の前で安藤先生が実演しているのです。あっという間に時間は過ぎ、先生方は個別に質問しに安藤先生のもとに集まっていました。安藤先生は、ICTのプロジェクトチームともかかわっているので、いつでも会えるのですが、間髪入れずにコミュニケーションをとりたいという工学院の先生。最先端の授業や進路指導、部活へのモチベーションの高さが了解できました。

★田中歩先生が、送ってくださるというので、正面玄関で待っていると、安藤先生と校長先生がお二人でいるのに遭遇しました。非常ににこやかで、フランクなトークのお二人。グローバル人材とは、こうでなくてはと思いつつ、大いに興味深かったのは、中野校長先生はヘルメットをかぶり、クロスバイクで颯爽と校門を立ち去り、安藤先生はマイカーで、風を切って帰られたその姿です。工学院大学が隣接しているので、中高というより大学という感じがしました。スタンフォード大学とかで教授や学生がそんないで立ちで、キャンパスから出ていく姿を見たのを想いだしました。

★熟慮するまでもなく、そもそもICTはグローバルだったのです。

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