Well-Being教育=創造的才能教育~多くの若い校長・教頭が動き出している
★今、多くの学校の若い校長・教頭が中心となって、Well-Being教育=創造的才能教育を推進しています。幸せは、やはり自ら創り出したモノやコトが世の中に役立った時に生まれます。このことは誰も否定しないでしょう。
★そして、これに挑戦している若い校長(若いと言っても40代から50代ですが)・教頭(30代の教頭もたくさんいますね)の中には、自分の学校だけがそうなってもしかたがない。日本のひいては世界の学校すべてがそうならないと生徒も私たちも幸せではないだろうと。
★ドネラ・メドウズのメンタルモデルである「自分だけがなんとかなればよいのではなく、みんなで立ち向かおう。競い合うのではなくみんなで困難に立ち向かおう」が広がっているのは喜ばしいですね。SDGsの生みの親といっても過言ではないドネラのメンタルモデルは大事ですね。
★今、探究で、システム思考だとかデザイン思考だとかSELといわれている手法を使わない教師はいないでしょうが、それはドネラの発想から流れ出ているものでもありますから、着実に広がっています。
★1972年以降、ドネラは仲間の研究者たちと「成長の限界」を世に示し、警鐘を鳴らしましたが、さらに、ドネラは解決するシステムを多くの仲間と協力して創ってきたわけです。世界の小学生から高校生までの教育にも影響を与えたのはよく知られていることですね。
★日本もその影響を受け、積極的にがんばってきています。日本のローマクラブへの貢献とその功績はすばらしいものです。しかしながら、それが教育の現場に影響を与えるのは、少し遅かったかもしれません。1998年の学習指導要領から「総合的な学習の時間」が導入されました。導入時は、この世界の流れがあることを現場ではあまり意識できませんでした。必ずといっていいほど、大学入試が変わらなければ総合的学習は意味がないとなっていたのは記憶に新しいでしょう。
★実際、暮超有名大学の若手助教授も、高校時代に知識と論理的思考さえ学んできてくれれば、あとは大学で学べばよい、君はくだらないことを言っていると、そこまで厳しく言わなくてもと思った経験があります。
★当時は、ローカルというより、ドメスティックという感じだったと思います。ローカルはグローバルと表裏一体ですから。
★それでも、その辺りから、総合的学習は、創造性が必要になってきますから、教育界は「創造的才能教育」について研究し語りはじめます。そんな本も出ましたが、私も少しかかわりました。そのためもあって、私自身も「創造性」を養う教育に一挙に目覚めました。学校の先生方と「総合的学習」の授業の勉強会を定期的に行い、共著を出版したりしました。
★そして2003年から2008年にかけて学習指導要領はさらに改訂され、反ゆとりを掲げながらも「思考力・判断力・表現力などの育成のバランス」という考え方も盛り込まれました。当然、その背景には創造性が必要です。仮に思考力がロジカルシンキングに限定されていたとしても、判断力や表現力には創造性は必要だからです。
★そして、ついに2007年に学校教育法が改正され、51条第一項に創造性条項が盛り込まれたのです。文部科学省は、この創造性条項を無視するわけにはいきませんから、段階的に学習指導要領を改訂していきます。
★そして、現在施行されている新学習指導要領を議論する中で、創造的思考だとか、創造的に思考・判断・表現するコンピテンシーなどという文言が登場するようになるのです。
★ですから、多くの学校の若い校長は、俄然動きやすくなり、創造的才能教育を偏差値の高い生徒だけではなく、すべての生徒に開いたとすると、それはWell-Bing教育になるとなったわけです。
★このWell-Being教育は、実は2007年改正学校教育法の創造性条項にちゃんと含まれているのです。ですが、その文言が、Well-Beingにつながると明快になったのは、世界同時的パンデミック体験を通してでした。
★したがって、現在では、1997年ごろに教育学会で議論されていた創造的才能教育は、Well-Being教育と結合して、次のような図で描くことができると思います。
★今でも、基礎学力が大事だと、その基礎学力=受験学力だというバイアスがかかった状態で詰込み現実主義的になりがちな促進教育(アクセラレーション教育)に偏る考えも当然あります。保守的な考え方はいつの世にもあるものです。
★一方で、知識ではない、創造性なのだと極端な牧歌的な理想主義に傾く拡張教育(エンリッチメント教育)に偏る考え方も当然あります。特に経済社会の動向を無視した理想主義的教育提唱者もまたいつの世にもいるものです。狂信的な改革者も現れるのは歴史に学べば、驚くことではありません。
★そういことを冷静に観察し洞察しすべての生徒に寄り添いながら理想と生きるすべという現実主義の両方を統合する若い校長・教頭がたくさん生まれてきています。彼らは、自分こそが改革者だとは言いません。先生方、生徒のみんな、保護者の方々と協力していっしょにやっていこうとみんなのニーズを汲み取りながら共に新しい教育を創っていっています。それに参加するメンバーはみんな創造的だし、それはWell-Beingな状況を生み出しています。
★もちろん、そのような校長・教頭だけではなく、広報部長も、教務部長も、一人ひとりの先生方も活躍しています。若い校長・教頭は、そのような自由に互いに発想を言える心理的安全性をつくりだす組織作りをしています。それは生徒においてもそうなっています。
★このような流れは、起業家がたくさんでてきた日本の経済社会全体にもいえることです。学校が変われば社会が変わるとは標語としてはいいのですが、実態は、そのような動きを学校だけではなく、いろいろな団体がしているから、社会は変わるのでしょう。
★互いにそのような起爆剤になっていく流れがうまれているのだと思います。
【学校教育法】
第五十一条 高等学校における教育は、前条に規定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
一 義務教育として行われる普通教育の成果を更に発展拡充させて、豊かな人間性、創造性及び健やかな身体を養い、国家及び社会の形成者として必要な資質を養うこと。
二 社会において果たさなければならない使命の自覚に基づき、個性に応じて将来の進路を決定させ、一般的な教養を高め、専門的な知識、技術及び技能を習得させること。
三 個性の確立に努めるとともに、社会について、広く深い理解と健全な批判力を養い、社会の発展に寄与する態度を養うこと。
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