歴史総合の授業と探究的学びを掛け合わせた実践例
★日本教育新聞(2023年7月17日)に、2025年大学入学共通テストを見据えて、新科目の授業づくりの実践例が掲載されています。広島県立広島叡智学園中学・高校の前元功太郎教諭の「歴史総合」の授業づくりのケースもその一つです。
(イラストはBingが作成)
★具体的な内容は、有料記事がゆえに、ここでは述べられませんが、関心のある方は、学校や図書館でお読みください。
★ここでは私の感想を書きます。
★まずこれだなと思ったのは、分量が多くて教えられないという声はよく聞くのですが、前元先生のやり方だとその心配はないなあと。ある時代ある領域の学習は、生徒中心で行っていくからです。その領域の課題を生徒自身が設定し、調べたり議論したりしていくうちに、大きなテーマの課題の全体を一刺しする小さな課題設定をするのです。小さく絞ることによって、全体が見える思考や対話が繰り広げられていくわけですね。
★これぞ、探究的な発想ですよね。
★さらに、これは教科の特性のコンセプトレンズだと思いますが、ある時代の問題を考えてくときに、通時的に分解し、共時的にも分解していきながら、通時ー共時の統合にチャレンジしていく。その鬩ぎあいで、新たな問いがまた生まれてくる。一時代の学びから近代の歴史の全貌が見えてくる仕掛けですね。
★それによって、近代といっても、未完の近代が、どう発展していくか、発展を拒むときに、どういう歴史的構造が出来上がるのかなど生徒が了解していくわけです。
★しかし、その生徒の了解は「暫定解」であって、ディスカッションによってブラッシュアップされていくのだと。
★知識を学びつつ、知識の使い方を学ぶというのを超えて、その知識が見過ごしている新しい知識を創造していく作業とその新しい知識をクリティカルに考えていく探究活動が野元先生の授業だと感じました。
★はたして、この野元先生の授業が2025年の共通テストを見据えているといえるのかどうかは、疑問です。なぜなら、共通テストでは、ここまでの学びを刺激する問いは投げかけられていないからです。むしろはるかに深いあるいははるかに高度な学びを生徒と行っているということでしょう。
★そんなうちではできないですよ。同校はIB認定校なのだから、できるんですよという声もあるかもしれません。たしかにIBはそういうところまで追求する研修が定期的になされています。しかし、やろうと思えば、日本の教育にそっても十分にできるのです。
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