2023年東京都私立学校展➄東京私学集結の意味 新機軸を教師と共に創る校長
★このイベントでは、訪れた受験生や保護者が驚き感動するシーンが意外なところにあります。入場案内で資料を配布したり、総合案内で多様な問い合わせに対応しているスタッフ(気づかない人にはそう見えるのです)は、実は各学校の校長先生なのです。妹を連れてきたお姉さんが、校長先生久しぶりです!と挨拶をするシーンはしばしばです。このイベントを主催している一般財団法人東京私立中学高等学校協会の常任理事及び理事は、当然東京の私立学校の理事長や校長先生がほとんどなのです。それゆえ、自ら最前線に立っているわけです。
★ふだん学校では、理事長・校長は、あまり最前線にでてきません。組織上、最終意思決定者、決裁者ですから、リスクマネジメント上、偉そうにしているわけではまったくないのですが、偉い人というイメージがあります。
★しかし、この私立学校展は、自分の学校だけよければよいというのではなく、東京の私立学校が一丸となって、日本の教育の質を向上させていこう、生徒の未来をいっしょに創っていこうという心意気を抱きながらおもてなしをしようではないかという気概があります。ですから、こういうときは校長が最前線に立つのです。
★ある私学の校長などは、率先して具合が悪くなった子供たちを車いすに乗せて、待機室に連れて行っていました。その姿は、たしかに学校ではなかなか見ることはできないでしょう。学校説明会に足を運んだ受験生や保護者、OG・OBは、最前線でテキパキと活躍している校長の姿に感動の声を寄せています。
★もちろん、自分の学校の生徒募集も成功させなければなりません。自分の学校と東京の私学全体の一体化を図るにはそれぞれの私学が奮闘努力、創意工夫する必要があるのです。ですから、足立学園の井上校長のように自ら説明するためにブースに立っている学校もたくさんあるのです。
★八雲学園の近藤理事長・校長も、東京私立中高協会の会長で、今回のイベントの総責任者ですが、ご自身の学校のブースにしばしば訪れ、受験生や保護者を迎え入れていました。
★女子美の石川校長も同様です。本間さん、娘さんも奥様も女子美大のOGなんですってと声をかけられ、パンフレット一式のはいったアーティスティックなトートバックを手渡してくださいました。さすが大人気の女子美を先生方と生徒といっしょに形づくっている石川校長だと改めて感じました。
★STEAMの時代です。日本の工学系の大学は、MITのように芸術学部をもっていないので、東工大と女子美が連携してイベントをやったりしています。昨年、女子美術大学は、バンドン工科大学と連携もしています。たまたまインドネシアと日本を往復しながらアート活動をしている娘は間接的にですがそのかかわりもあり、インドネシア大使ご夫妻と女子美の美術展で交流していました。娘の展示を杉並の小さな女子美のギャラリーで行ったときのことです。
★娘のグローバルなアート活動は、女子美の大学での活動とその活動をベースにイギリス留学をした中で生まれてきましたが、リサーチアートという分野を開拓していて、グローバル教育とプロジェクトとICTは、彼女にとっても三種の神器です。女子美の中高大の教育のベースが反映しています。
★娘は、大学からですから、中学から入学していればもっと花開いていたなあと、パンフレットをみてニコニコしながら語っていました。ここは親バカですが、娘の活動は日経新聞や美手帖でも取り上げられ始めています。女子美の卒業生の活躍の一例にはなるでしょう。女子美の中高生は、そのほとんどが女子美大に進むので、娘の例はあたらずといえども遠からずでしょう(笑)。
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