日本私学教育研究所主催 法人管理事務運営部会 ウェルビーイング教育
★今月4日、品川ビジョンセンターで、一般財団法人日本私学教育研究所主催の「法人管理事務運営部会」の研修会が開催されました。テーマは「魅力ある私学の働き方~ウェルビーイングを実現させるために~」。校長・教頭も参加していましたが事務長参加者のほうが当然多い学校の経営部門のメンバーが中心の研修です。
★企業のウェルビーイング経営は、世界的な動きです。コロナ禍のときに、健康概念が再注目を浴び、身体的、精神的、社会的な健康のトータルな状況が良好であることが明快に要求されるようになりました。
★この「良好な状況」という英語が“well being”だったわけです。しかし、この述語が、健康を包摂する名詞「ウェルビーイング」として前面にでてきたわけです。病気を治すことが健康の状態になることだけを意味するのでhなく、身体的、精神的、社会的となると、それらを害する要因は、ウィルスとかケガ以外に、組織の中で起こることがむしろ日常です。
★身体的健康とは、血液、神経、ホルモンの循環不良や筋肉や脊髄の機能劣化などを良好な状況に回復し続けることですが、この損傷は、大きな打撃ばかりではなく、日常の生活の中で生まれます。そのほとんどが仕事とそれを共に行う人間関係の負荷からきます。
★この負荷は、精神的健康にもダメージを与え、社会的関係にもゆがみを生み出します。
★結局は人間関係です。この関係があるのは、何も企業だけではありません。組織すべてにあてはまります。集団があるところにはすべてあります。となると、家庭や学校も例外ではありません。
★いじめ防止対策推進法、ハラスメントに関する法律、LGBTQ理解増進法、働き方改革関連の法律、障害者差別解消法など、組織の人間関係を阻害する事態を抑止・予防する法律が次々と施行されているのはそういうわけです。
★そして、これらの法律適用は、学校も逃れることはできません。
★しかし、何より大事なのは、法律は訴訟にならないと機能しないのです。多くの場合は、訴訟になる前の人間関係の在り方に問題があるものです。価値観のずれが、感情のずれが、思考のずれなど、コミュニケーションで生じる小さなズレの蓄積が健康を害する大きな問題になります。
★このズレをお互いに認識し、尊重し、どう修正していくか、第三のアイデアをどう創造していくのか。それがウェルビーイングの道だなとつくづく感じ入りました。
★結局、デザイン思考だとか創造性だとかは、そのズレに気づき、それをなんらかの形で解消しないのに、どちらか一方のアイデアが優先するようなことのないようにするメタローグだったのでしょう。
★気づきの多い研修でした。
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