2023年夏の私学経営研究会「理事長・校長部会」終わりました
★7月24日・25日の2日間、小田原で私学経営研究会「理事長・校長部会」が開催され無事終了しました。この研修を通して私が感じたのは、もともと明治以降の近代教育は、官僚的近代ともう一つの近代の両方が併存していて、隙あらば、前者による後者の撲滅政策があり、それに対しもう一つの近代は応戦してきた歴史があったのだなあと。私立学校は、そのもう一つの近代の社会に貢献する教育を持続可能にしてきたわけですが、今回の私学ガバナンス法改正問題や私学つぶしとさえ言われている大阪の高校完全無償化と私学の学費の上限を知事が決めるキャップ制などの動きは、まるで歴史は繰り返すのシーンがよぎるわけです。
★これに対し、東京の私立学校は、経営陣である理事長・校長が研修会を開き、教育の質をさらに高め、weii-beingな教育環境をいかにデザインしていくかと同時に、その環境を持続可能にし、さらに発展させていく私学経営権をいかにリスクマネジメントしていくかという研修会を毎夏開いているのだ感じました。
★21世紀は、モダニズムからポストモダニズムに移行する、すなわち、大きな物語は崩壊して国や自治体ではなく個人が自由に動きやすくなる時代がやってきたということになっています。しかし、それが個人主義化して光と影を生んで、SNSや生成AIなどまた予測できない精神の凄惨な行動に日々不安が増している不安社会になっているのも否めませんが、これはむしろ、モダニズムの光と影の問題で、その影をそもそも近代の出発の時から見抜いていた私立学校は、なんとか払拭しようと創意工夫をして教育を実践してきました。
★今や政府や官僚、企業もモダニズム的なピラミッド型あるいは同心円状の同調社会をイメージはしていません。ポストモダニズムに舵を切っているはずですが、完全に移行はしていません。人間の意識はそんな簡単に変わりません。
★しかし、だからこそ、諦めずにチェンジメーカーとか自己変容とかいうキーワードが組織開発論や人材開発論において当たり前のように活用されているのでしょう。
★ウクライナの情勢や台湾の情勢、大阪の万博や大阪のカジノ構想の行方、生成AIの飛躍的進化と社会進出、気候変動など、私立学校を取り巻く社会課題や地球課題は山積しています。私立が校の理事長・校長は、遠くに見える問題もグローバル教育を実践しているために、実は身近な迫りくる問題として認識しています。
★さて、どのような教育を創り上げていくのか、私学の独自性と先見性、先進性の腕の見せ所ですが、1校ではなし得ません。情報交換・情報共有し、問題意識を高いレベルで共有し、連帯して対応すべきところは対応し、独自の教育を実践していくというわけです。
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