教育課程と教師不足
★教育課程(カリキュラム)を構成する単位数や時間数は、学習指導要領に規定されています。一方で、この単位数や時間数は、生徒の心身の発達を促すものであって、阻害するものであってはなりません。
★ところが、実際には、学校現場では、時間が足りなくて終わらないなどの声は山ほど聞くし、教科によっては、教える教師をそろえることができないという状況にもなっています。
★このような現場の状況で、生徒の心身の発達を促す安心安全な心理状態を形成できるとは到底思えません。まさかこのような状態は、教師のせいだとか学校の管理能力不足だとかいうのでしょうか。
★仮にそんなことを言うお役人がいたとしたら、合理的配慮がないということになるやもしれません。
★2050年からバックキャストして、必要最小限度の教育課程を見直し、学校によって増やすことができるようにするというのは、昔から実は言われてきたのですが、さっぱりですね。
★たとえば、STEAMが必要だというのなら、教科のサイエンスや数学やアートを読み替えられるような柔軟性を単位や時間設定に織り込むことです。
★今でもやれるではないかといわれます。しかし、未履修問題がすぐにでてきますから、削除挿入とか、順序づけや重みづけがなかなかできません。
★だいたい心理的な発達理論だって、具体的には、どのように学校現場で行われているのでしょう。養護教諭やスクールカウンセラーは強い味方ですが、ことが起きてから頼ってしまうということが多く、教科学習の中に発達心理学的な知見のみならず技術を埋め込むにはどうしたらよいかということについては、各校に任されたままです。
★2050年からバックキャストして、教科をどのようなビジョンに読み替え、未履修にならないように、単元主義ではなく、学び方・考え方主義で組み替えられるようにしていかざるを得ないというのが、現状のような気がします。
★教科横断といっているのは、ほんらいそういう柔軟性でしょう。
★化学反応が起きて、同じ時間でも密度が増すような学びの環境を作るにはいかにしたら可能か?
★学習指導要領は、法的拘束力を持ってしまっているのに、わかりにくいし、努力義務だといいながら、かなり義務に近い規制が実はかかっているのも事実です。
★そういう環境は、学校がブラックだというより、学習指導要領の規制と自由が不明瞭であるということを示しているのだと思います。それゆえ、そんな不明瞭な条件下では教師のなり手が減っているというのが本当のところではないでしょうか。難しいから曖昧なままにしているんだという慣習はありますよね。
★教育課程の構造的問題を解決するプロジェクト学習を文科省はしたほうがよいでしょう。
★もちろん、現場では、現状の制約の中で、大いに創意工夫しています。そのうえで、教育課程の構造的問題をちゃんと解決するようにと言っているのです。
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