筑波大学の入試改革の影響(了)影響力ある中高の学びのあり方 受験業界に影響?
★今回の筑波大学の入試改革の公表は、多様な領域で、いろいろなコメントを喚起していますが、いわゆる東大や医学部にたくさん合格させている学校の学びの具体的状況をリサーチしようという受験業界に善き影響を与えると思います。というのも、以前であれば、東大合格者の数や医学部合格者の数にまず注目がいき、このような合格者を出す理由を、中学入学時や高校入学時の偏差値に求めたり、数学や理科の授業における難関大学の入試問題の取り扱い方に注目して、概ね終了だったでしょう。
★そのような学校では、国語や英語や社会は、不要教科だとまでいわれているなどという神話が語られもしました。しかし、それは学校の実態とは大きくズレているのです。しかし、ある塾の有力な方々は、以上の観点から学校を観てではなく、受験スタイルを見て、そのような判断をしていたわけですね。
★このような学校と言えば、海城、本郷、豊島岡女子学園やいわゆる御三家を想い受けべれば良いと思いますが、おそらく受験スタイルは、一般選抜が圧倒的に多く、総合型選抜を活用する生徒は少ないでしょう。
★ですから、探究の学びのような総合型選抜に濃厚につながる学びには力をいれていないのだという「推論のはしご」を登ってしまうのでしょう。
★しかし、そのような学校の実態は、上記の思考コードのように、教科学習はたしかに、A1A2A3B1B2B3までがっちりやっていますが、探究だってB2B3C2C3までやっているのです。ただし、このような学校の中には、もともと探究の時間が学習指導要領で設定されるずっと前から、麻布のように土曜日にがっちり教養をカバーするような講座を設定していたので、探究という言い方を前面にだしていないということもありますね。それにあの「論集」や「社会科論文」のような骨太の研究といえるほどのことを行ってもいるわけです。
★海城も、ずいぶん前から、冒険型プロジェクトやドラマエデュケーション、圧巻の論文編集などの学びの環境をデザインし続けてきたわけです。
★麻布と海城の例は、本ブログでもたびたび紹介してきました。
★今年6月の末に豊島岡女子学園の探究活動やSSHの活動について事例発表会があったことについても紹介させていただきました。
★桜蔭や女子学院も麻布、海城のような圧巻の論文編集の学びの環境デザインが昔から行われています。
★一般選抜の受験スタイルを選んでいるからと言って、教養や探究などの活動を行っていないなどとは限らないのです。
★こういった学校の生徒の多くは論文編集能力と読書量は、全国平均を超えるレベルです。
★だから、受験業界全体が、教科学習と探究のような活動の両方がどのようなプログラムになっているのか注目するようになると、日本の中等教育も意外と世界標準レベル以上だということが了解できるはずです。
★そして、受験業界ですから学校間の比較をするでしょう。それは市場の原理でどうぞやって構わないのですが、そのとき、教科学習における難度比較ばかりではなく、探究のような活動の比較もしてくれれば、その領域においては逆転現象が起きている学校もあるということにも気づくでしょう。
★実際に都内の東の御三家のある学校が、都内の西の学校にまで見学に行って、探究やICT領域の学びの活動において、そこまでうちではできない、自分たちが何ができるか考えなくてはと切磋琢磨が起こるような場面もあるわけです。
★もちろん、このような世界標準のレベルの視野を持って、情報収集・分析をしている受験業界におけるシンクタンクもすでに現れています。そこが大きな流れをつくっているという事実もあります。
★対話型の生成AIが登場して、教科学習については、思考コードの差を埋めるデフォルトモードの学びの環境ができてきます。今のところ、そのようなAIを使って論文や作文を提出しないという禁止条項への流れの話が注目されていますが、プロンプトエンジニアリング(問い生成エンジニアリング)の流れが教育に入ってくると、知識・理解や論理の思考作用についての学びは、差がなくなります。
★学校の学びの特色は、「適用」「批判」「創造」の思考作用の学びの環境をいかにデザインするか、そのクオリティの共創的競争になるでしょう。先日、そんな話で意気投合した若き受験業界のデータサイエンティストたちに出会いました。
★おそらく、最終的には、「コミュニケーション」や「対話」の質を求めるようになっていくでしょう。ここの分析も、もはやAIでできてしまうのです。今ままでは、実はあまりこの領域の進化がみえなかったのです。理念的段階で終わっていたのです。ところが、それがグッと進むことになるでしょう。ただし、AIはそのクオリティを分析できても、自分で質をあげていくことは今のところできません。
★とはいえ、既存の情報を組み合わせるとそれが混合ではなく化合することがあります。すなわち、化学反応を引き起こすことはあるので、油断はもちろんできないのですが。
| 固定リンク
« 筑波大学の入試改革の影響②果たして大学入学スケジュールを変更できるのか?学生広報活動ではなく学生募集戦略という学問的視点へ。 | トップページ | 大阪府立水都国際 世界標準のスーパーモデル。太田教頭に聴く。 »
「創造的才能」カテゴリの記事
- 中学受験 学校の選び方の変化(6)生徒の学びが変わる今こそティーチングがカギ 学校におけるコーチングやファシリテーションはコンサルティングの手法とはまた違うので(2026.09.09)
- PISA2025 当たり前ながら文科省の政策に影響(2026.09.09)
- 【驚嘆】2028国際バカロレアの革新を先取りしていた工学院(2026.08.25)
- 本質ベース教育(5)保護者も感じられる学校の質・授業の質(2026.08.22)
- 本質ベース教育(4)リフレクションのコンパスとしてルーブリックを生成AIでつくってみる(2026.08.19)
「21世紀型教育」カテゴリの記事
- 【驚嘆】2028国際バカロレアの革新を先取りしていた工学院(2026.08.25)
- 本質ベース教育(5)保護者も感じられる学校の質・授業の質(2026.08.22)
- 本質ベース教育(4)リフレクションのコンパスとしてルーブリックを生成AIでつくってみる(2026.08.19)
- 本質ベース教育(3)リフレクションのコンパスは自分で作る(2026.08.19)
- 本質ベース教育(2)圏論がIBLと集合と関数を結び付けるコア・ループを見つける(2026.08.17)
「中学入試」カテゴリの記事
- 2027中学入試動向(05)結局自分にとって最高の学びを体得できる学校を探す(2026.09.11)
- 2027中学入試動向(04)東京共学校の女子の志望者数傾向(2026.09.11)
- 2027中学入試動向(03)東京女子校の志望者数傾向(2026.09.10)
- 2027中学入試動向(02)東京共学校の男子の志望者数傾向(2026.09.10)
- 2027中学入試動向(01)東京男子校の勢い(2026.09.10)
「大学入試」カテゴリの記事
- 日本女子大学 理工学部(仮称)開設構想の意味 私立女子中高の先進性の証明か(2026.05.22)
- 海外大学進学準備教育の意味(04)筑駒の合格実績が、逆に海外大学進学の意味を映し出す(2026.05.03)
- 海外大学進学準備教育の意味(04)筑駒の合格実績が、逆に海外大学進学の意味が映し出される(2026.05.03)
- これからの大学と高校をつなぐ学びのOS 凍てついた思考の壁を溶かす(2026.04.17)
- 【速報】富士見丘 少人数教育の面目躍如(2026.03.18)
「創造的対話」カテゴリの記事
- 【驚嘆】2028国際バカロレアの革新を先取りしていた工学院(2026.08.25)
- 本質ベース教育(5)保護者も感じられる学校の質・授業の質(2026.08.22)
- 本質ベース教育(4)リフレクションのコンパスとしてルーブリックを生成AIでつくってみる(2026.08.19)
- 本質ベース教育(3)リフレクションのコンパスは自分で作る(2026.08.19)
- 本質ベース教育(2)圏論がIBLと集合と関数を結び付けるコア・ループを見つける(2026.08.17)
「思考コード」カテゴリの記事
- 2026年のビジョン ポスト・メタモダニズム?(2026.01.05)
- 2026年度中学入試(02) 伸びる24校は、実にシンプルの意味(2025.10.01)
- 【衝撃!】ONETESの登場!教育市場が変わる!!(2025.09.23)
- 筑波大学の入試改革の影響(了)影響力ある中高の学びのあり方 受験業界に影響?(2023.07.02)
- 筑波大学の入試改革の影響①教科授業と探究の機能の意味が現場で明快になる(2023.06.30)
「PBL」カテゴリの記事
- 【驚嘆】2028国際バカロレアの革新を先取りしていた工学院(2026.08.25)
- 本質ベース教育(5)保護者も感じられる学校の質・授業の質(2026.08.22)
- 本質ベース教育(4)リフレクションのコンパスとしてルーブリックを生成AIでつくってみる(2026.08.19)
- 本質ベース教育(3)リフレクションのコンパスは自分で作る(2026.08.19)
- 本質ベース教育(2)圏論がIBLと集合と関数を結び付けるコア・ループを見つける(2026.08.17)
「高校入試」カテゴリの記事
- 2026東京都私立学校展 2日間で 参加者45,000人超える(2026.08.30)
- 2026東京都私立学校展 1日目 参加者22,000人超える(2026.08.30)
- 東京の私学経営(理事長校長部会)宿泊研修で感じたこと(3)少子化リスクマネジメントの本質は唯一無二の経験ができる教育環境デザイン(2026.07.26)
- 東京の私学経営(理事長校長部会)宿泊合宿で感じたこと(1)少子化リスクマネジメント高まる(2026.07.23)
- 工学院 多様な創造的才能が花開くクリエイティブクラス育成校(2026.07.08)



最近のコメント