2030年改訂学習指導要領に先駆けて現場は動いている 「探究」を巡る創意工夫はトリガーになっている
★ポストコロナ、あるいはアフターコロナの時代の夏休み、国内外で宿泊研修が盛況です。しかも、その研修は、学力研修や英語研修というものだけではなく、アントレプレナーシッププロジェクトだったりICTを競い合うカンファレンスだったり様々です。しかも、そこに企業や大学などの機関が連携するということは当たり前だし、高校同士の連携も増えてきています。金融教育もいまのところ金融詐欺にひっかからないようにというプログラムが多いですが、資金調達の方法に関するものも増えてきました。英語を使うのはもはや当たり前になってきています。
★したがって、2030年以降の学習指導要領は、イノベーション教育(AIベース)、グローバルアントレプレナーシップ(社会貢献型)、金融経済教育、法教育(道徳教育の拡張でいく。法と道徳の関係性は重要)が4つの柱となり、その柱の土台が、SDGsの流れを汲み取った「自然と社会と精神の循環について語る対話の知性」となっていくでしょう。「主体的・対話的で深い学び」「探究」というのは、このようなフォームに流し込まれていきます。
★そうなってくると、「授業イノベーション」は当然起こります。またカリキュラムマネジメントより、「授業マネジメント」のイノベーションが起こります。パノプチコンというよりシノプチコンのメリット(個別最適化はここにいきつく。デメリットに陥らないように道徳と法の関係性を学ぶことは重要になる。すでに法学部の総合型選抜ではこの点が課題になっている)を活用するAIベースのマネジメントが当然起こるでしょう。今もすでに行われ始めています。
(画像はBingに作成してもらいました。)
★高大連携のみならず、国内外の多様な領域での連携が起こり、そのイノベーションも起こります。資金調達も織り込み済みということになるでしょう。仮想通貨に移行することによって、その連携には、新しい資金調達の方法が学びのインセンティブを生み出す流れになっていきます。
★教育経済格差をなくす動きは、市場の経済も活用する動きになるのは、世界各国の財務状態からいって必然だし、Web3.0の行き着く世界でしょう。
★そして組織機能イノベーションです。教育は金がかかるというのが今ままでの学校組織の考え方です。基本的にこれは変わりませんが、教育は金がかかるが、同時に経済を豊かにするという組織機能イノベーションが起こるでしょう。
★とはいえ、2030年~2050年は、まだ限定的です。ですから、残念ながら、この過渡期において教育経済格差が生まれてしまいます。せめてもの救いは、優位に立った生徒が未来において利他主義を発揮する傾向にある昨今であるということです。
★地政学的な危機がグローバルにマネジメントする事態ができてからでないと、それは全面展開ができません。世界が利他主義になったうえで、市場の経済が広まるというマネジメントをどうするか。これは難問です。SFのようにはいきません。。。
★「探究」の根源的なテーマはやがてそこに行き着くでしょう。グローバルアントレプレナーシップ教育に探究がシフトするのはそういう理由です。おそらくこれが、2030年にむけてケインズが「孫たちの経済的可能性」の中で予言したことなのだと思います。
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