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2023年7月28日 (金)

21世紀型教育における対話は教師も生徒も保護者もハラスメントがない状態を持続可能にする

★なぜ21世紀型教育か?一つには、ハラスメントのない対話空間を創ろうということがあったのです。本ブログでも共感的コミュニケーションの重要性を幾度も述べてきましたが、それは、20世紀型教育では、愛の鞭とばかりハラスメントが起きていたし、学歴社会をベースに差別発言というハラスメントも起きてきたことは、否めないでしょう。校内暴力や学級崩壊、いじめなど1980年代以降から次々と明らかになった学校の課題の根っこには、ハラスメントがあったということは、今や教育法化現象が新たなステージにシフトする中で隠しようのないことです。

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(画像はBingに作成してもらいました)

★東京私学教育研究所では、理事長校長部会、教頭部会の委員の先生方と毎夏研修を行って、労務関係や法務関係などの研修を、弁護士の先生方をお招きして、行っています。その研修の合間に、私も弁護士先生と対話をする時がありますが、先日、弁護士の先生に21世紀型教育をリーガルな側面からみるとどんな教育ですか?と尋ねたところ、それはハラスメントがない教育ということでしょう。発想の自由は、そこからしか生まれてこないでしょうと。

★さすがは、弁護士先生。私たち仲間が共感的コミュニケーションというのは、ハラスメントがないということを意味していますが、まさか受験生の親に非ハラスメントコミュニケーションとは表現できないので、柔らかく共感的コミュニケーションと言っていたことに気づきました。

★しかし、ずばり教師同士、教師と生徒、生徒同士、教師と保護者、家庭の中など、ハラスメントがない対話空間を形成していくのも21世紀型教育の重要な使命だなと確信したのです。

★では、ハラスメントのない対話とはどういうことでしょう。Bingに、「ハラスメントのない対話の条件について、5項目を挙げてください」と尋ねると、次のように即自回答。

・相手の人格や尊厳を尊重すること。相手に不快感や苦痛を与えるような言動は避けること。
・相手の意見や感情を聞くこと。自分の考えや主張だけを押し付けたり、相手の話を遮ったりしないこと。
・相手との関係性や状況に応じて適切な言葉や態度を選ぶこと。優越感や敵対心を持たず、協力的で建設的な対話を目指すこと。
・相手に対して誠実で正直であること。嘘や誇張、中傷などの不正確な情報を伝えたり、隠したりしないこと。
・相手に対して敬意や感謝の気持ちを表すこと。相手の貢献や努力を認めたり、謝罪やお礼を述べたりすること。

★たしかにすべて重要ですね。しかし、ネット上にある情報を集約してくれているのですから、おそらくこれ以上の深さは解答できないでしょう。実は、このような道徳的言説をきちんと守るには、相当な経験トレーニングをしなくてはなりません。現実の対話の中で、リフレクションしながら参加者が目配り気配りしながら、今の言葉は、態度は、行動は・・・どうなのだろう?と。

★いきなり対話ではなく、ハラスメントになっていないかどうかモニタリングしながら対話をしようという相互内省空間をマインドセットしてから始めていく必要があります。

★しかし、それだけではなかなか難しいのです。

★エスノメソドロジーや役割分析など社会学の視点が必要です。もちろん心理学も大切ですが、それだけでは、社会の枠組がもたらす矛盾による無意識のハラスメントに気づきにくいのです。

★もはや教育は、教育現場で教師が一生懸命がんばるだけではうまくいかないのです。教師の能力の問題ではなく、後ろを振り向けば社会問題が襲いかかってきているからです。やはり大学の科学的というか学問的サポートが必要になります。

★高大連携とは、探究活動だけやっていればよいのでは、ないのです。(つづく)

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