総合型選抜の意味がわかっていないケース 一般選抜から逃げているなどという時代遅れの価値観
★一般選抜だろうが、総合型選抜だろうが、どちらが価値があるみたいな感覚の進路指導をいまだにしている学校があるとしたら、保護者は考えたほうがよいでしょう。もちろん、そんな学校は私立にはないと思いますが。
(画像はBingに作成してもらいました)
★どちらも表面的には準備の仕方が違うだけで、本質的には同じなのです。どちらもちゃんと勉強しなくてはならないのです。このシンプルな真理を捻じ曲げているのは、うまく要領よく合格しようという生徒やそう指導する教師の問題なのです。
★いつの世の中にも、そういう裏技を使う人はいるでしょう。合法的であればよいのだと。
★ですから、ちゃんと勉強して合格するか、要領よくあまり勉強しないで合格する道を選ぶかは、選択者によるのです。
★そんなこといったて、合格することがまず大事ではと。そうでしょうか。そこは考えどころです。
★いずれにしても、総合型選抜や推薦入試は、東大や京大、慶應義塾大学、上智大学、聖心女子大、お茶の水大学などの例を見ればわかるように、大学1年の講義で学んでいるのと同じ感覚のレベルの学びの準備ができていることが要求されています。
★多くの大学がそうなっています。このことは何を意味するのでしょか。
★米国のAPのようなシステムが、各大学個別に行われているということを示唆するのです。
★AP=アドバンスト・プレイスメントは、高校生に大学レベルのカリキュラムや試験を提供するプログラムです。アメリカの場合は、カレッジボードと呼ばれる大学のコラボコミュニティがいくつかあって、それぞれによって運営されています。日本の高校にはこのようなコミュニティが運営するAPコースが開設されていませんが、高大連携や総合型選抜のプロセスは、各大学が個別にAPコースを設置しているようなものなのです。
★アメリカのAPテストも、当然「入学審査」の資料の一つとして活用されます。総合型選抜と似ているわけです。もっとも多くの場合「単位認定」としても活用できるのがAPです。日本ではまだまだ少ないですが、高大連携で大学の講義を受講できるものもあり、良い成績を収めて、その大学に入学した場合、単位認定がされるシステムも生まれてきています。
★一般選抜を受験する生徒も、総合型選抜の準備と同じようなプロジェクト学習をした場合、受験は一般選抜でも、学びは骨太の受験勉強をしたのと同じになります。
★ただ知識を暗記する学びをして一般選抜に臨めばよいとか、好きな体験だけ行って小論部を描けるようにして総合型選抜に備えればよいとかいう発想では、大学入学後困ることになります。
★高校の進路指導は、大学入学後も卒業後も、生徒が自分の学びを発展させていけるような学び方の自己組織化を学ぶ教育環境を創ることでしょう。そのような環境を構築する努力をしている学校を受験生・保護者は選択したほうが良いに決まっています。
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