GLICC Weekly EDU 第136回「夏休みの勉強の進め方ーコンセプトレンズを身につける」
★昨日、GWE(GLICC Weekly EDU)第136回で主宰の鈴木さんと対話しました。今回は夏休みがはじまるということもありますから、GLICCの夏期講習の考え方や方針をベースに、他の塾や家庭で学ぶときにも見過ごしがちなコンセプトレンズを身に付けるための、教材や入試問題の扱い方について対話しました。
★世の中、理屈じゃないとかわかりやすさが大事だといって、子どもたちの才能が開かれていく機会を摘み取っていることはあるあるです。だから、やさしい問題から応用。発展という順番で学びを進めるのが通例です。
★そして、やさしい問題はできるんだけれど、応用から先に進めないとか、応用まで行けるけれど、発展のレベルに飛べないとなり、それが偏差値輪切りの学びの格差につながっています。
★この格差を縮めるために、大量の問題を解けばよいということになり、圧が高まっていくわけです。
★もちろん、大量のトレーニングを行っていくことによって、コツに気づいていく子供は、伸びるわけですが、そのコツに気づかない子供もいるのです。そして、気づいている子供も、そのコツが何であるかを言語化や可視化できているわけではないのです。
★そのまま成長し、気づいていたで終わる場合、新たな壁にぶちあたるわけです。
★体験を積んで、みんが同じように成長しないのをふだんからみていると思います。それと同じことですね。
★ですから一見易しい問題を考える時に、そのコツであるコンセプトレンズ(高度な抽象化レベル)に気づくリフレクションを丁寧に挟みながら学ぶプログラムが大切です。とはいえ、気づいたことを言語化しなさいと言っても、それは認知科学の学者レベルのお話なので、3つの異なるアプローチをしている問いをぐるぐる回していって、やがて見えてくるというプロセスを埋め込みます。すなわち、問題を解く時間+リフレクションというより、3つの問いを考えるときに内面にいつのまにか気づきが生まれるという仕掛けをつくっています。問いを考えると同時にリフレクションするという循環をつくります。
★私は、このプロセスを、3つの問いの循環(TQs:trinity qustions)と呼んでいて、久しい間、いろいろなプログラムやワークショップに埋め込んできました。
★遠い昔GLICC立ち上げの時に、私も鈴木さんを応援していたので、その仕掛けを教材に組み込む考え方をシェアしました。ですから、GLICCの教材作りは概ねそうなっています。
★いずれにしても、高感度な抽象化ができるコンセプトレンズを身体化すると、一見違うものもつながります。化学反応が起こります。すると同じ時間でもたくさんの問題を解けてしまう思考の密度感が生まれてきます。
★これがないと、わかるまでそして定着するまで、類似問題を長時間解くことになります。それで、子どもがトイレに行けるようになるまで、自転車に乗れるようになるまで、ある程度時間がかかりますが、体得すると、それまでかかっていた時間はまったくかからないような状態になればよいのですが、この方法だとなる子どもとならない子どもに分かれてしまいます。
★しかし、コンセプトレンズを身に付けるTQsの学びのサイクルを経験すると、思考力の学びもそこまで瞬間的にできるように多くの生徒がなるわけではありませんが、似たようなことが起こるものです。詳しくはぜひご視聴ください。
★小学校で偏差値50くらいの生徒が、麻布に合格するとか、高校で同じような生徒が上智や早稲田に合格していくということは、私自身立ち会ってきたので、そのような学校に合格することが目的ではないにしても、思考力は豊かになるものです。その豊かに成長する速度は、風姿花伝の「序破急」のテンポです。エッ~!もう小6です間に合いますかと思われる方もいるかもしれません。
★中学受験をきっかけにコンセプトレンズを身に付けるチャンスを生み出す簡単な方法は、最後に少し語っています。動画をザッピングしてみて頂ければと思います。
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