2030年の次期学習指導要領は、HTHのコンセプトを学校に埋め込む?グローバルアントレプレナーシップへ。
★現行の学習指導要領は、2030年には改訂されます。その見通しについて、文部科学省はリサーチをはじめ、すでにWGをつくってビジョンを立て始めいます。まだまだ全貌はわからないけれど、少なくとも現行の学習指導要領はsociety5.0という未来社会からバックキャスティングしていることは周知の事実です。ですから、多様性だとか探究だとかSTEAMだとかPBLだとかインクルーシブ教育などがキーワードになっていました。SGHやSSHにも力を入れてきて、現場の新しい学びも支援してきました。成功したかどうかはともかく、国際バカロレア校200校計画も進められています。
(写真はbingに作成してもらいました)
★ハーバード大学のトニーワーグナー教授は、あのHTH設立にかかわっていますが、彼が語っていることの1つに、大学のあり方への見直しです。大学で行っていることのうち批判的思考とか創造的思考とかイノベーション教育については、高校でもできることがあるから、そこをもっと整理してはどうかと。
★文部科学省がこのトニー・ワーグナー教授などの見識やHTHの実践をリサーチしていないわけはないのです。文科省は、最近高校におけるアントレプレナーシップ教育事業を拡大し始めました。大学は随分前からなのですが、高校のこのプロジェクトのキックオフミーティングが行われたのはつい6月のことなのです。
★ようやく、トニー・ワグナー教授やHTHのリサーチの適用を開始しはじめたわけです。というのもHTHは教育内容が最先端だけではなく、資金調達の方法も今までの日本の学校とは違います。まさにこの実践は、アントレプレナーシップ教育プロジェクトのロールモデルなのです。
★HTHが話題になった時、いきなり文部科学省はそれを適用することはできませんでした。各学校も使えるところは使うという方法で、部分的には導入してきました。定期テストをなくすとか、校則の見直しだとか。特に広がったのはPBLの実践でした。経産省が支援したということもあります。
★文科省が大学のアントレプレナーシップ事業を支援する時に提出していた資料にも、PBLがメインストリームになっているのです。
★現行学習指導要領では、情報とSTEAMと探究が、教科学習とどのように一体化するのか静かに議論しています。現場でも議論がなされています。
★この接点にPBLがあることは間違いないのですが、このPBLは最終的には社会課題を見出し、それを解決するモノを作り出す社会貢献型のアントレプレナーシップにすでにつながっています。家庭科で金融教育をやっているのは、このアントレプレナーシップを将来実際に起業につなげようという目論見は透けて見えます。
★日本国内からGAFAMのような企業を生みたいという色気があるのはわかりやすいでしょう。
★それには、いうまでもなくグローバル教育が必要なのはいうまでもないのです。
★そして、文部科学省が、拡大しようといしているアントレプレナーシップ教育のプロジェクトは「EDGE-PRIME Initiative」と呼ばれています。これは「Exploration and Development of Global Entrepreneurship for Primary, Middle and High School Students Initiative」の略語です。日本語だと、アントレ―プレナーシップ教育といっているだけですが、英語だとグローバルアントレプレナーシップとなっているのです。
★これは、結局グローバルと高度デジタル人材育成とアントレが複合している流れができているということなのです。東工大学が、高度デジタル人材育成の学部に関しては、定員を増やしてよいという政府の緩和があるやすぐに増員の届け出を出したように、着々とこの流れはできています。
★大学入学共通テストにおいて、情報の試験も2025年には実施されます。
★筑波大学の個別入試、つまり一般選抜でもミネルバ大学のような口頭試問型になりそうです。
★2030年ごろの学習指導要領では、濃厚なAIj時代になっている中、教科学習と生徒指導と探究と英語教育と情報教育は、一体化して、グローバルアントレプレナーシップ教育へシフトしているでしょう。あくまでも私のいつもの独断と偏見の妄想にすぎません。
★しかし、そのロールモデルは、聖学院や順天、和洋九段女子、工学院大学附属、富士見丘などでは、先進的なグローバルアントレプレナーシッププログラムが実施されて6年以上経っています。HTHばかりがロールモデルではありません。日本型HTHはすでに生まれ、花開いているのです。
★ただ、「グローバルアントレプレナーシップ」という新しいレンズでまだ世の中が眺めていないから気づいていないというだけです。何せ、今始まったばかりなのですから。
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