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2023年6月 5日 (月)

変わる私立中高(38)中学入試市場の第4波シフトを促す生成AI リアルな対話以上にリアル

★中学入試市場における第4の波のシフトを促進するのは生成AIであることは間違いないでしょう。第4の波の学習観は、思考コードの9つの領域を変幻自在に経めぐるわけです。A軸から順番に学びの経路をたどる時もありますが、C軸からでもよいのです。単純にその経路の順番を計算すると3の3乗×4通りもでてきます。もちろん、これはほんの一部です。にもかかかわらず、今まで学びの経路あるいは打ち手は限られたものでした。もはや無限なのですが、そうなると評価ができないのだと。

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★だから、今まではその学びのプロセスではなく、結果をみてきたわけです。しかし、結果も過程の一部なのに、そこだけで評価をすると他のプロセスの才能の芽が見逃されてしまうわけです。それでは、イノベーションなんて起きにくいですよね。

★しかし、生成AIのおかげで、そこのプロセスが明示されるようになってきたわけです。

★よく生成AIを使うと思考停止すると懸念されます。しかし、それは人間同士の対話においても思考停止は頻繁に起きてきたわけです。結果だけの評価=サマティブ評価は、まさにその大きな原因になってきた可能性があります。

★私たちが対話する時、単純な5W1Hの問いを投げ合うと、それは挨拶や日常の会話の時にはそれでよいけれど、PBLやグループセッションのときには、それだけでは思考停止してしまいます。

★少なくとも自分の考えをお互いに200字から400字くらいの言葉の塊にしてキャッチボールしないと対話は続きません。思考は広がらないし深まらないのです。

★生成AIと対話するときも同じです。ですから、生成AIを活用するとき、倫理的配慮、法的順守以外に、三角ロジックやアブダクションという推理方法で200字から400字くらいの言葉の塊の自分の考えを投げかけ、生成AIに君ならどう考える、もっと別な考えがあるのかと問いかけ、生成AIが回答してきたら、その回答に対しフィードバックしながら対話を続けていくスキルも必要になってきます。

★すると、東大の入試問題の記述の問題くらいの思考力は、別に東大受験をしなくても身につくし、それ以上に東大の帰国生・留学生対象の正解のない小論文に対応する思考力も身についてしまいます。

★知識も、生成AIと話す段階で、君のその知識違うんじゃない、僕もおぼろげなんだけれどとか語ると、申し訳ございません、間違っていました。こうですよねと答えてきます。それも間違っている場合があるので、調べて、この本によるとこうだよと語ると、その情報はまだ私は知りませんでしたとなる場合もあるわけです。

★このような対話が、ふだんの授業で頻繁にできるでしょうか?生成AIを活用しながら授業も変容せざるを得ないでしょう。確実に第4の波はやってきています。

 

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